中小企業向け安全管理で気をつけるべき3点

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(写真=Billion Photos/Shutterstock.com)

中小企業の経営にはさまざまなリスクが存在するため、適切な安全管理によってリスクをコントロールするという観点が重要です。そのためには、具体的に企業経営にはどのようなリスクがあり、どのようにすれば効果的なリスクマネジメントができるのかを押さえておく必要があります。今回は、中小企業が安全管理で気をつけるべき3つのポイントについて、解説します。

日々の業務における安全管理

中小企業が安全管理を考える際、まずは日々の業務における適切な安全管理がなされているかを確認することが大切です。たとえば、工場やオフィスにおいて火災などの事故が起こらないように注意したり、労災事故などが発生しないように適切に労働環境を整えたりすることです。企業が日常の業務において職場の安全を向上させるためには、組織的な仕組みを整えることと、一人一人の従業員にしっかりとした安全意識を持たせることの2つが必要です。

まずは、トップに立つ人間がしっかりとリーダーシップを取るとともに、管理体制や責任体系を明確化して、正常に機能するように組織作りをします。そして、従業員一人一人をしっかりと教育して安全意識を高め、マニュアルなどを作成し人為的なミスを予防する必要があります。安全管理について研修制度を設けたり、模範的な社員に対する表彰制度を用意したりすると効果的でしょう。

マイナンバー制度に伴う安全管理

中小企業の安全管理としては、マイナンバーにかかるものも重要です。マイナンバーとは、国民の1人1人に割り当てられた、12桁の番号です。2015年10月から、住民票を有する全ての人に1人1つのマイナンバーが通知されています。

従業員の税金(源泉徴収)や健康保険などの社会システムの関係上、企業は従業員のマイナンバーを管理しなければなりません。しかし、マイナンバーは大切な個人情報なので、不適切な収集や管理を行うと、企業の責任問題になりかねません。適切な収集・管理をするために、まず収集するときにはしっかり本人確認をして、利用目的を明確にします。そして、預かったマイナンバーは利用目的以外に使用しないことを定め、またマイナンバーの取扱規程を作る必要があります。

社員のマイナンバーを取り扱う者に対してもマイナンバーを適切に管理するよう指導を徹底して、常にマイナンバーの取り扱い状況を把握できるようにすることが重要でしょう。また、利用し終わったマイナンバーは、漏えいしない方法によって速やかに、データとして復元されないような形で確実に処分することも求められます。

IT社会に生きる企業としての安全管理

中小企業がビジネスの機会を最大化する上でIT化への対応はますます重要になっていますが、サイバー犯罪などのリスクを想定して安全管理を徹底することも大切です。

たとえば、警視庁の発表によると、オンライン取り引き(インターネットバンキング)の不正操作による犯罪件数は平成27年に1,495件発生しており、中でも法人口座における被害が増加したと警察庁の発表では指摘されています。これは、近年大企業や官庁などがガードを堅くしたことによって攻撃しにくくなったため、ガードの甘い中小企業を標的にして顧客情報などを収集し、それを足がかりに大企業への攻撃をしかける手口などが増えていることも一因となっているようです。

このような被害に遭わないためにも、企業としてのITリテラシーを高く持ち、セキュリティを徹底することが重要です。まずは重要な社内システムとそうでないシステムに分けて、重要な部分については社外からアクセスが一切できないようにネットワークを分離します。また、重要な情報が管理された情報にはアクセスパスワードを設定して特定の人にしかアクセスできないようにし、ウイルス対策ソフトを確実に導入し、古くなったファイアウォールを最新のものに入れ替えるなどすると良いでしょう。専門のセキュリティソリューションサービスを導入するのもおすすめです。

適切に安全管理をして安心の企業経営を

現代社会では、中小企業が直面する可能性のあるリスクがたくさんあります。特に、最近導入されたマイナンバー制度や、脅威が高まっているサイバー犯罪に対する対応は急務です。ただ、リスクの内容や正しい対処法を知っておけば、むやみに恐れる必要はありません。適切に安全管理を実施して、安心の企業経営を実現しましょう。

※当記事は2017年1月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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中小企業はどのようにスマホやタブレット端末を活用すべきか?

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(写真=Cressida studio/Shutterstock.com)

近年、ビジネスのIT化が進んでおり、スマホやタブレットなどのモバイル端末を利用する場面も多くなっています。ただ、職場に新しい技術を導入することにまだまだ抵抗があるケースもあるでしょう。中小企業にとってのモバイル端末を導入することのメリットや、その方法について考えてみましょう。

スマホ、タブレットの特徴とは?

モバイル端末の導入の是非を考えるために、スマホやタブレットにどのような特徴があるのか押さえておきましょう。スマホやタブレットの大きな特徴は、その優れた携帯性と機能性です。パソコンよりも持ち運びがしやすく、インターネット上で利用できる文書作成や表計算のサービスを活用し、携帯できるキーボードなどを接続すれば、外出先でもパソコンの代わりに利用できるという特徴があります。また、基本的な操作はタッチパネルで行える製品が主流になっているため、パソコンなど旧来の端末に不慣れな人でも操作しやすくなっています。

今の時代スマホは店頭の決済端末にもなる

スマホやタブレットには、さまざまなアプリをダウンロードして機能を追加することができます。たとえば、Airレジというサービスでは、従来のレジスターで行われた作業のほとんどをタブレット上で行うことができます。また、Squareというサービスでは、モバイル端末に専用の読み取り機を取り付け、サインもタッチパネルの画面上で行うことで場所を問わずクレジットカード決済を行うことができるようになります。これらはサービス業や小売業といった特定の業界だけでなく、幅広い業種において活用出来るサービスではないでしょうか。

今後、このようなサービスがどんどん社会に浸透していく可能性があります。近年は金融とIT技術を組み合わせたフィンテックが進化していることもあり、こうした決済に関わるサービスが日常生活の中で利用されることがますます多くなっていくかもしれません。そのような状況の中、自社だけが対応できていないということにならないように、最新の技術を柔軟に取り入れていくことが重要です。

中小企業ではパソコンが使えない、という概念を打ち壊したスマホ、タブレット

ひと昔前、中小企業がパソコンを導入することにはハードルがありました。パソコンは設定やセキュリティ対策が複雑であり、導入後のメンテナンスにも技術が要求される場合があります。とはいえ、メンテナンスを外部委託するとコストがかさむため、資金に余裕がない中小企業は導入しにくかったのです。

これに比べて、スマホやタブレットは中小企業でも導入しやすく、設定や操作方法も簡単です。以前はメールの確認のためにパソコンを起動し、必要なソフトウェアを立ち上げる必要がありましたが、スマホやタブレットを導入し、インターネット上で提供されているサービスを利用することで、時間や場所を問わずに確認ができるようになりました。

中小企業のスマホ活用はコスト削減、売上につながる

スマホやタブレットを有効活用することは、コスト削減や売り上げアップにつながります。まず、従業員が場所を問わずに情報収集できるようになり、外出先でも顧客への対応が早くなります。また、メールや社内SNS等を活用して社内のコミュニケーションを密に取ることで、業務効率の向上を期待できます。店頭でのスムーズな決済処理の実現に課題を抱える企業であれば、先述の決済サービスを導入することでメンテナンス費や維持費などを抑えることができる場合もあるでしょう。

中小企業がスマホを活用する時代へ

今後は中小企業もどんどんスマホやタブレットを活用すべき時代になっています。こうしたモバイル端末なら、導入コストもさほどかからず、中小企業でも簡単に導入できます。また、売上アップやコスト削減を狙える効果もあります。これから中小企業が成功していくためには、いち早くスマホやタブレットを導入して、ビジネスを効率化していくべきでしょう。

※当記事は2017年1月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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中小企業が借り入れする時に覚えていたいリスクとは

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(写真=PIXTA)

中小企業にとって資金繰りは何よりも重要です。資金不足に陥ると仕入れや商品開発、経費の支払いなどが滞ってしまいます。経営活動が鈍化するだけでなく、経営の根本に関する予想外の事態にもつながりうるため、資金調達の方法についてあらかじめ考えておく必要があります。資金調達の方法として代表的なものが借り入れですが、借り入れにはさまざまなリスクがあります。今回は、中小企業が借り入れをする際に覚えておきたいリスクについて解説します。

借り入れとは?出資の受入れと何が違う

資金調達の方法には大きく分けて借り入れと出資の受入れがありますが、この2つを対比することで、借り入れの特徴をより理解することができます。

借り入れと出資の受入れの大きな違いは、返済の義務の有無です。銀行など金融機関からの借り入れは、金利分を上乗せして返済する義務が発生します。会社の信用度や借り入れ金額によって、返済額や金利が変動しますが、その金額によっては資金繰りの負担になるリスクがあります。これに対し、出資の受入れには返済の義務が発生せず、出資者には利息ではなく配当などで還元する形が一般的になります。

また、経営への関わり方に違いがあります。出資を受ける場合は、出資者に対価として株式を譲渡することになります。譲渡する株数によっては、株主総会での議決権を行使できるため、経営権の一部を出資者が得ることになります。一方で、借り入れは企業の信用力に基づいて行われるもので、元本から得られる金利を対価としているため、貸付人が直接的に経営に関わることはありません。

中小企業が借り入れを行う際のリスク

中小企業が借り入れをする場合、どのようなリスクがあるのでしょうか?借り入れをする企業におけるリスクをご説明します。

借り入れを行うと、金利分を上乗せした金額を返済することになります。金利の額によっては企業の資金繰りを圧迫するリスクがあります。金利は企業の信用力や借入期間によって変動します。例えば、日本政策金融公庫から貸付期間10年間で借り入れをする場合は、年利1.21%程度になります。なお、担保の有無によっては金利が高めに設定されることもあります。借入期間が長期にわたるほど金利が高くなり、返済が滞ると損害遅延金が発生します。

返済が滞ると債権者から督促を受け、最悪の場合、民事裁判などの訴訟問題に発展します。裁判所の判決次第では会社の財産を差し押さえられることもあり、会社の預貯金や不動産などを失ってしまうリスクがあります。また、借りたお金の返済が出来ない企業として、社会的信用を失うことになります。そのため、借り入れをする場合は必ず金利を踏まえた返済計画をたて、その計画通りに返済していくことが求められます。

中小企業に貸付を行う側のリスク

では逆に、中小企業に貸し付けを行う側のリスクを見てみましょう。

貸し付けを行うと、元本に金利分を上乗せした金額を返済してもらう権利があります。しかし、対象企業の与信管理を徹底しないと、返済が計画通りに行われない状況に直面したり、自己破産によって返済を受ける権利が消滅したりしてしまうリスクがあります。また、支払いが滞った場合は督促や取り立てをしなければなりません。それでも相手が支払いに応じない場合は、弁護士を雇うなどして法的な対処によって解決を目指していくことになります。貸付金の貸し倒れリスクと、資金を回収するためのコストが貸付側のリスクとなります。

借り入れのリスクを正しく知って、賢く資金調達しよう

以上のように、中小企業が借り入れをして資金調達をすることにはリスクもあります。資金調達の方法として借り入れを検討する場合は、金利分を含めた返済額が資金繰りの負担とならないように、長期的な視点で考えておく必要があります。借り入れのリスクを正しく知った上で、賢く資金調達をしていきましょう。

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中小企業がコンサルタントを雇うメリット、デメリット

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(写真=everything possible/Shutterstock.com)

中小企業もコンサルタントを利用するケースがあると思いますが、その際のメリット・デメリットはなんでしょうか。中小企業がコンサルタントを有効活用するために、知っておきたいメリットとデメリットを紹介します。

中小企業向けコンサルタントとは

コンサルタントには、財務や会計、IT、または人材育成などの個別の領域における専門的な助言を行うものから、経営全般に関して幅広くアドバイスを行うものまで、さまざまな種類があります。特に中小企業に対しては、自分の専門領域はもちつつも、社長の悩みの種類に応じ、経営全般に対して幅広くコンサルティングを行う人が多くなっています。

コンサルタントは、必ずしも特定の専門資格を持つ人たちを指すわけではありません。中小企業向けのコンサルティングを専門とした、中小企業診断士という国家資格もありますが、これは独占資格ではないため、資格を保有していなくてもコンサルタントとして活動できます。

また、コンサルティングを専業にしている人たちだけではなく、税理士や公認会計士、社会保険労務士、行政書士などの士業の人たちが、本業と併せて経営コンサルティングを行うケースも多くみられます。

>>【次ページ】中小企業向けコンサルタントと、大企業向けコンサルタントの違い

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中小企業がブランディングに力を入れるべき理由とは?

Branding

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

最近「ブランディング」というワードをよく目にするようになりました。最近の印象的な事例を挙げるならば米国のトランプ次期大統領といえるでしょう。

大統領選でのメッセージは常に「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again)」に集約され、それを唱え続けた彼は選挙戦において自身を「TRUMP」というブランドにまで押し上げることに成功しました。またその裏では豊富な資金が費やされたことと思われます。

はたしてブランディングを成功させるためには多額の資金が必須なのか、そもそも中小企業にとってブランディングは必要なのかを解説しましょう。

ブランディングとは

一般的にブランディングとは、企業や商品・サービス、または人物のブランドを確立し、ターゲットである消費者などに、より効率的に訴求を行うことを指します。ブランドを確立させることによって、確立前よりも積極的にターゲットから選ばれるという成果を得るのです。

確立されたブランドには価値が生まれます。ブランディング企業大手インターブランドは、「財務力、ブランドが購買意思決定に与える影響力、そしてブランドによる将来収益の確かさ」という観点から、グローバルに展開する日本ブランドを評価した「日本ブランドランキング (Best Japan Brands)」を毎年発表しています。2016年の調査ではトヨタ自動車が1位となりましたが、そのブランド価値金額は4兆9,048億円と算出されました。

たとえ同じようなスペックの車だとしても、トヨタのブランドがつくことで安全性や信頼感のイメージといった付加価値がプラスされ、より消費者から選ばれやすくなり、ビジネスを更に有利に展開することができるのです。

ブランディングの源泉

ブランディングというとブランドネームやロゴ、キャッチコピーを思い浮かべる方も多いでしょうが、これらはあくまでも表現物です。ブランディングの本質は自社の強みをシンプルに定義し、それを表現して提供するための製品やサービスに資源を集中する、顧客とのあらゆる接点を通じてその強みを訴える、など企業の経営戦略と密接に関わっています。

そのためには自社の優位性を定義し、経営資源を活用した製造・販売・サービスにわたる戦略が必要なのです。トヨタのブランドが4兆9,048億円の価値を持つのは、何十年にも亘って長期的にブランド価値を高める取り組みを推進してきた成果です。

なぜ中小企業はブランディングに力を入れるべきなのか

中小企業の経営者や役員の本音の中には、「ブランディングができるのは豊富な広告宣伝費を使える大企業だけだ」、「広告代理店に発注できるほどの予算はない」といったものもあるのではないでしょうか。

しかし、ブランディングによってビジネスをより有利に展開できるのは、大企業だけではありません。むしろ大企業よりも資金力や販売力に差がある中小企業、さらには個人事業主にこそ、ブランディングは重要です。近年ではSNSなど、より手軽に自社の魅力を発信できるツールも発達しています。

ブランド戦略には何がある?

最近のブランディングの成功事例としては、トランプ次期大統領のスローガンや、小池都知事が選挙戦で用いた「グリーン作戦」などがあげられるでしょう。自身の価値をどのようなスローガン、色で訴求し、どんな活動をすることでより価値を感じてもらうのか、を考えることが重要です。

最終的にブランドは、顧客や最終消費者の意識の中に形成されるといわれています。中小企業であれば、大企業よりも顧客へのアクセスは容易であることが多いでしょうし、これは中小企業の強みです。顧客により近い場所で、自身の魅力を直接伝えることができれば、ブランディングを有利に進めることができます。

またブランディングにおいて最も重要であり、全ての基盤となるのが製品やサービスです。大企業が大手のメディアを使って訴求しているものとの差が、際立った製品やサービスを開発し提供することが重要でしょう。そして、それを実現するためには経営課題の洗い出しと事業戦略が必要です。これらの活動が組織の各階層で一貫して実行されていることが、中小企業がブランディングを成功させるためには特に重要なのです。

個性をシンプルかつ強力に訴求する

トランプ次期大統領のブランディングは多大な資金によって支えられましたが、本質的には彼の強烈な個性とメッセージを一貫してシンプルに発信し続けたことが、成功のカギだったのです。たとえ中小企業でも、個性をシンプルかつ強力なメッセージとして発信することが、ブランディングを成功させる秘訣といえるでしょう。

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中小企業が日本を変える! 海外展開のススメ

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(写真=hin255/Shutterstock.com)

近年、ビジネスのグローバル化が進んでおり、海外に進出する企業が増えています。大企業だけではなく、中小企業でも海外進出して成功している企業はあります。しかし、海外展開のノウハウや経験が乏しいと、多くの問題に直面する懸念があることも事実です。そこで今回は、中小企業におすすめする海外展開の方法やヒントについて、実例を交えながらご紹介します。

海外へ挑戦する中小企業

中小企業でも海外展開している会社がいくつもありますので、その事例をご紹介しましょう。

まずは、株式会社アサヒ特販です。同社は北海道で融雪機器や暖房機具を製造しているメーカーですが、近年はロシアや中国へと進出しており、中国では、列車に設置する凍結防止電気ヒーター線についての契約を取り付けています。

東京都の株式会社マグエックスも海外進出しています。同社はマグネットシートのメーカーですが、まだ東南アジアへの同業他社の進出がほとんどなかった2001年において、いち早くベトナムに工場を作り、進出を果たしています。 

このように、日本の中小企業でも、海外展開で成功できる可能性は十分にあります。

海外展開によって国内の雇用が減るとは言えない

日本の中小企業が海外展開すると、その分日本での雇用を減らすことになるのでは、と考える経営者もいるでしょう。

日本政策金融公庫の2013年4月の調査月報『海外展開は中小企業にどのような影響を与えるか』によると、海外投資をしている企業の方が、していない企業に比べて雇用を増やしていたり、雇用を維持できていたりする傾向があります。海外展開している企業の場合、3年前よりも国内の従業者数が増加したと回答している企業は38.3%となり、海外展開をしていない企業の24.1%を上回りました。

海外に工場および拠点を持つことで、そこで管理業務に従事する日本人の雇用が生まれ、日本国内でも現地との連携のために従業員を雇用しなければいけないためと考えられます。この結果から、一概に海外展開している企業は日本国内の雇用を減少させているものとは言えず、むしろ事業拡大によって日本国内の雇用を拡大できていることがわかります。

海外展開への挑戦で必要なもの

海外展開に挑戦するには、次のようなものが必要です。まずは明確な目的です。何をすべきか決まっていなければ事業は失敗します。さらに、しっかり計画を立てて事前調査を綿密に行うことが重要です。

海外の場合、日本とは商習慣が異なる場合もありますし、許認可が必要な国や業種などもあるので、念入りに市場調査をする必要があります。それに加えて、海外展開を行うには人的リソースやパートナーが必須ですので、信頼できる現地のマネージャーやパートナーを確保したりする必要もあります。これらの事前準備をしっかり行いながら、海外展開を確実に進めていきましょう。

海外展開の相談先

中小企業が海外展開する際、自社のみで必要な情報を集めたり従業員の採用を行ったりすることには限界があるので、専門家に相談したいと考えることがあるでしょう。こうした際は、独立行政法人である中小企業基盤整備機構や日本貿易振興機構に相談をすることができます。

これらの機関では、会社の経営状態をもとに海外展開できる可能性や海外進出の方法について、アドバイスしてくれます。さらにビジネスモデルの策定から商品開発、現地での許認可や雇用まで、幅広くアドバイスしてもらえます。また、民間のコンサルティング会社でも、中小企業の海外進出の相談に乗ってくれるところがあります。 

事業展開の手段として、海外進出を

中小企業でも海外進出によって成功している会社は多く、国の支援などによって相談できる環境も整っています。今後の事業展開の方法として検討してみてはいかがでしょうか。

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中小企業のM&Aが失敗する主な要因と成功のために必要なポイント

(写真=Gunnar Pippel/Shutterstock.com)

近年、中小企業においてもM&Aが活発になってきています。実際にM&Aを成功させるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。中小企業のM&Aが失敗する主な要因と、成功のために必要なポイントをご紹介しましょう。

増加傾向にある中小企業のM&A

日本のM&A件数は右肩上がりで増えています。レコフデータの調査「2015年1-12月の日本企業のM&A動向」によると、2015年の日本企業のM&A件数は2,428件(対前年比+6.3%)と4年連続で増加しており、2011年の1,687件から43.9%も増加しています。そのうち、約7割が国内企業同士の案件であり、その多くが中小企業のM&Aと考えられます。

事業承継の観点からみても、M&Aに注目が集まっています。帝国データデンクの「2016年後継者問題に関する企業の実態調査」によると、国内企業約29万社への調査の中で、後継者が不在(いない、未定、未詳)とする割合が66.1%と、全体の3分の2が後継者問題を抱えています。そのため今後も、社長の高齢化とあいまって、M&Aという選択肢を選ぶ企業は増加していくことが予想されます。

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中小企業の人材育成には補助金を利用しよう!

(写真=Gajus/Shutterstock.com)

中小企業の経営に携わる人の中には、従業員の能力を高めたい、自己啓発に取り組む従業員をサポートしたい、という想いを持たれている人もいるのではないでしょうか。 それでも、従業員を適切に指導する人材や場所が確保できなかったり、どのようなカリキュラムを組めば良いか判断に困ってしまったりする企業も多いようです。

今回は中小企業の人材育成の現状や、そのために活用が可能な助成金、そして教育訓練や職業能力評価制度など、従業員のスキルアップに役立つ国の制度についてご紹介します。

中小企業従業員人材育成の現状とは?

人材育成の必要性は理解していても、時間やコストの負担が大きなネックとなっている中小企業も多く、例えば何らかの人材育成のプログラムを組んで実践するのにも、二の足を踏んでしまうケースも少なくないようです。

独立行政法人、労働政策研究・研修機構の『ビジネス・レーバー・トレンド2015年8月号「特集―中小企業における人材の採用と定着」』から、現状をご紹介しましょう。その中で経営課題として筆頭に挙げられたのは「必要な人材の不足」(53.7%)、次いで「従業員の育成、能力開発」(47.1%)「人手不足」(29.8%)でした。欲しい人材がいない、もしくは採用した従業員をどう育成するかに、頭を悩ませる企業が多いことがわかります。

実際に行われている育成の取り組み内容としては、「指導者を決めるなどして計画的にOJTを行う」(39.2%)、「上司に手厚く指導育成するように指示している」(34.8%)、「社内勉強会、提案発表会に参加させる」(32.7%)等が挙げられています。長期的な視野で、従業員の育成を考えるキャリアライフプラン研修については、実践している企業は少数に留まっているようです。

助成金の対象となるのは?

コストの問題に関しては、厚生労働省による助成金の活用が検討できます。事業主に対して助成を行う「個別企業助成コース」と、3事業以上で従業員の合計が30人以上の事業団体に対して助成を行う「事業主団体助成コース」の2種類です。両方のコースを併用することはできませんのでご注意下さい。今回は「個別企業助成コース」について詳しく見ていきましょう。

「個別企業助成コース」は、事業主が「教育訓練・職業能力評価制度」、「キャリア・コンサルティング制度」、「技能検定合格報奨金制度」を新たに導入し、実施した場合一定額が支払われるものです。そのため、あくまで「実施すること」が要件になってきます。

実際に助成金がもらえるのは1制度ごとに10人までで、教育訓練の受講時間数が80%に満たない場合には支給されないなどの個別の条件も設けられているので気を付けましょう。

教育訓練、職業能力評価制度は、従業員に対する教育訓練や職業能力評価を、ジョブ・カードを活用して計画的に行う制度です。教育訓練制度は、部門別に必要な職業能力を従業員の役職別に整理し、それぞれに必要な教育訓練を体系化し、実施するような取り組みです。職業能力評価制度は、ジョブ・カードを使って職業能力を評価していき、従業員のモチベーションや技術の向上を図る取り組みです。制度導入助成額は中小企業で50万円、中小企業以外は25万円となっています。

キャリア・コンサルティング制度は、従業員に対して定期的にキャリア・コンサルティングを実施する支援制度です。従業員のキャリアプランを考えながら、主体性を持って意欲的に活動できるように支援していきます。制度導入助成額は中小企業で30万円、中小企業以外は15万円となっています。

技能検定合格報奨金制度は、従業員に必要な技能検定を受験してもらい、無事合格した者に報奨金を与えるという制度です。制度導入助成額は中小企業で20万円、中小企業以外は10万円となっています。

制度導入にあたり、雇用する被保険者数によって最低適用人数が異なりますので留意しておきましょう。詳細は以下の通りです。

雇用する被保険者数 最低適用人数
50人以上 5人
40人以上50人未満 4人
30人以上40人未満 3人
20人以上30人未満 2人
20人未満 1人

 

助成金制度を積極的に導入して、従業員とともに成長を

今までコスト面や指導する人材の不足という問題を抱えていた企業も、積極的に制度を活用して人材育成計画を整えるチャンスです。従業員の成長は企業の成長にもつながりますので、積極的に制度を導入してみましょう。

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まだある! 生産性向上のために中小企業ができること

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中小企業が業績を向上させていくには、規模拡大とともに生産性向上を図ることが必要です。生産性向上のためにできることは何か、ご紹介しましょう。

生産性向上のためには何をすればいいのか

生産性向上のための施策には、様々なものが挙げられます。生産工程におけるコストの削減や、製品の付加価値向上を目的とした設備投資を行うこと、競合に対する自社の強みをマーケティングで顧客に訴求すること、社員一人ひとりの意欲やスキルを改善することなどです。それぞれの施策について、具体的な内容をご紹介します。

設備投資が節税になる?

設備投資による効率化は業績向上に向けた王道ではありますが、設備投資には資金が必要となるため、常に投資対効果を考え、キャッシュフローを考慮して実行する必要があります。現在、設備投資を行うには減税制度「中小企業投資促進税制」が期間限定で実施されているので、大きなアドバンテージがあるといえるでしょう。

「中小企業投資促進税制」とは、一定の条件に該当する設備投資について、取得価額の30%の特別償却、または7%の税額控除を選択して利用できる制度です。(税額控除は個人事業主、資本金3,000万円以下法人が対象)また、その中でも、先端設備や生産ライン等の改善に資するとみなされた設備については、即時償却か、10%の税額控除が選択できる上乗せ制度も用意されています。

今期の業績がある程度順調で設備投資を検討している場合など、この制度を活用すれば節税策としても有効な手段となります。この減税制度の適用期間は平成29年3月末までとなりますので、利用するのであれば早急な検討が必要です。

競合調査を活用しよう

次に競合調査についてご紹介しましょう。競合調査とは、自分たちの商品・サービスと競合関係にある他社について、そのサービス内容やコスト、生産方法などについて調査をすることです。自社の商品・サービスに見直しを加えるにあたっては、同業他社の動向は参考になることが多く、ぜひとも行っておきたいところです。

実際に他社の情報を収集する前に、自社の商品・サービスの改善点について明確な仮説を持っておく必要があります。その上で、具体的な他社の製品やサービスの内容、製造から販売までの活動状況について情報収集し、改善に役立つポイントを発見していくことが必要です。共通の取引業者から情報収集したり、外部のコンサルタントを利用して、他社の事例も踏まえた改善案を検討したりするのも、有効な手段の一つです。

社員一人一人の生産性を上げる

経営者として、社員の一人あたりの生産性に注意を払うことも有効です。もちろん設備投資や競合調査を踏まえた自社の商品・サービスや体制の見直しによっても、社員一人あたりの生産性は向上させられますが、ここでは「情報共有」を通じた生産性向上を考えてみましょう。

社員同士の情報共有を行う事で、個々の社員が業務上の判断に迷うことや、従来存在していた情報伝達の負荷を低減でき、社員がより創造的な業務に集中できる環境を整えることが、その主眼となります。個々の社員が処理する業務状況や案件の進捗状況を全体として把握することで、同僚・上司・経営陣が必要なフォローアップを行えるようにもなります。

情報共有の仕組みは様々ですが、サイボウズ株式会社の提供しているグループウェアのような仕組みを始め、社員が情報を共有するスペースをオンライン上に設ける、またはオフィス内に掲示板を設けるといった方法も考えられます。

目的を明確にし、自社にあった方法を選択する

実際に生産性の向上を図るには、目的を明確化させた上で、何よりも自社の現状に即した手段を選ぶことが重要です。社内全体を巻き込んで、現状をしっかり把握した上で、必要な手段を考えていきましょう。

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いまや5割以上? 中小企業の増える外国人労働者 

(写真=leungchopan/Shutterstock.com)

グローバル化が進む中、中小企業で働く外国人労働者の数は右肩上がりに増え、いまや、各企業の成長を支える貴重な存在としての認識が広まりつつあります。

派遣社員を含めた外国人(特別永住者を除く)を雇用している企業の割合は13.3%となっており、特に従業員数が100人以上の中小企業では、その割合は51.1%にのぼります。(平成28年 日本政策金融公庫総合研究所『中小企業における外国人労働者の役割』より)今回は中小企業に外国人労働者が多い理由、雇用する時に気を付けたい点、不法就労を防ぐための対策などについてご紹介しましょう。

中小企業に外国人労働者が多いワケ

中小企業は今まで以上に積極的に外国人を雇用する姿勢を見せていますが、この背景として派遣や間接雇用を利用する企業が増えているということが挙げられます。

理由の一つは、高度人材の優遇措置制度によって政府が高度な技術力や専門的な知識を持つ、優れた外国人の雇用を進めていることです。これによって、今まで尻込みしがちであった外国人労働者への雇用改善が大きく進んだと言えるでしょう。これは学歴や職歴、給与額、実績、年齢などにポイントを設け、ポイントの合計が一定点数に達した場合に、さまざまな優遇措置が受けられるという制度です。IT人材やエンジニアなどの技術者は、すでに多くの企業で活躍しています。日本語でのコミュニケーション能力が高かったり、日本の大学や大学院を卒業していたりすると、ポイントがさらに加算されるような仕組みになっています。

また、中小企業が外国人を雇用する理由として挙げているのが「日本人だけでは人手が足りないから」に加えて、「外国人ならではの能力が必要だから」などが上がっています。この点から、単なる人手不足だけではなく、外国人労働者の能力を評価しての結果であることも伺えます。(平成28年 日本政策金融公庫総合研究所 『中小企業における外国人労働者の役割』より)

外国人労働者を雇う際の注意点、雇い主がやるべきこと

ハローワークで求人を募ったり、職業紹介事業者から紹介をしてもらったりと、採用方法はいくつかあります。その際は、履歴書や職務履歴を確認し、面接ではパスポートなど必要な書類をしっかりチェックするようにしましょう。

履歴書や職務履歴については、候補者が自身の職歴や業績、資格などを脚色して記載しているケースもあります。年齢が若い場合は、職歴が乏しく業務経験も少ないことがありますので、留意しましょう。前職がある人は給料の額、退職の理由なども重要なチェックポイントです。どのような理由で退職したかも、誠実さなどを見る基準になります。

また、外国人を雇用する時に、最も重要なのが就労資格の有無です。もし、就労資格のない外国人を雇用した場合、トラブルに巻き込まれるのは企業側です。「不法就労助長罪」という罪に問われることになりますので、注意しましょう。面接時に持参してもらうものには、パスポート、在留カード・特別永住者証明書、就労資格証明書、資格外活動許可書(資格外活動の場合)、日本語検定の証明書などがあります。このほか、外国人留学生をアルバイトで雇用する時は、資格外活動許可書の提示が必要になります。この許可書なく仕事に就いた場合は、不法就労になりますので注意をしましょう。

仕事に対しての適応能力やコミュニケーション能力、上司や仲間への誠実性、仕事への熱意なども面接の会話の中で読み取るようにすれば、長く定着する社員になるかどうかの見極めができるでしょう。

減らない不法就労の実態、経営者のやるべきことは?

不法就労とは、就労が可能な在留期限資格を保有していない状態で仕事につくことです。2015年には年間1万2,000人以上の外国人が、在留資格を保有しておらず母国への退去強制手続きを受けています。もちろん中小企業も、故意に不法就労させることは許されません。面接時に必要書類を確認しようとした際に、「後で提出する」「紛失してしまった」と言われても、「仕方がない」と思わず、確認を行うことが大切です。外国人は日本人に比べて、自己主張が強い場合もありますが、勢いに押されないようにしましょう。

正しいプロセスを踏んで採用を

いまや多くの中小企業が外国人労働者を雇用しており、その数は今後も増加していくでしょう。今後は中小企業のみならず、地方企業や大企業でも、外国人労働者の採用が一層広がっていきそうです。企業側は正しいプロセスを踏んだ上で、必要な書類を確認しながら慎重に採用していくことが必要となります。

※当記事は2016年12月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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