ITシステムの活用で中小企業の事業を効率化

(写真=LOVELUCK/Shutterstock.com)

ITシステムを使って事業を効率化できるのは大企業だけではありません。利用できるシステムは多様化しており、中小企業も導入しやすくなっています。ERP、グループウェア、BIなど、事業に役立つシステムは多くあります。これからは事業規模の大小を問わず、活用していく必要があるといえます。

ERPでリソース管理

ERPとは、Enterprise Resources Planningの頭文字をとったもので、経営に必要な資源(リソース)を効率的に管理するシステムのことを指します。

一般的に経営資源は、人・モノ・金に大別できます(これらに情報や不動産などを加える考え方もあります)。これらの情報は人事部・経理部・情報システム部・営業部・物流担当部署など部門横断的に存在しますが、企業規模が大きくなるにつれて、部門間の共有が滞る場合もあります。

ERPは会社資源に関する情報を一元管理することで、経営者が変化を迅速に把握できるようになるシステムです。変化の激しい現代のビジネスにおいては、必須のツールといえます。

ERPのあり方はひとつではありません。人事・販売・財務などの全てを統合するパッケージ型があれば、それぞれ異なるソフトを利用する業務ソフト型などさまざまで、それぞれ一長一短があります。

自社でサーバーを立てる必要のあるものもあれば、インターネットを通じてサービスを受けるクラウドERPもあります。なお、会社規模の大小を問わず、導入可能です。

グループウェアで業務効率化

グループウェアは、内部の情報や作業などを共有するシステムです。イントラネットを活用した社内の共同作業以外にも、インターネットを通じて外部の業者や顧客を打ち合わせに参加することもできます。

さまざまな業務がコンピューターで自動化されていくなか、仕事で求められる創造性の比重は大きくなりつつあります。グループウェアを活用すれば、コミュニケーションを活性化させることができ、集合知から問題解決や新たなアイデアにつながることが考えられます。

効率化という面でもグループウェアの存在感は大きいといえます。メンバー全員が参加するチャットで情報を伝えれば、メールを送ったり電話連絡をしたりする必要もありません。これにより情報伝達のモレを無くすこともできます。

BIで経営判断をスピーディーに

これからの企業はBusiness Intelligence、BIを活用するのがよいでしょう。先ほどのERPで管理しているような経営に関する情報を視覚化し、分析できるシステムのことです。

ビッグデータの解析が企業経営や政策などにおいて重要な位置を占めることは、もはや一部の人の認識ではなくなりました。政府の後押しもあり、データ活用の推進例は多くあります。

企業が持つデータは膨大かつ多岐にわたり、そこから拡販やコスト削減、新商品開発に貢献するヒントが得られます。企業はいかに効率的に、恒常的に行うかが問題ですが、今までの企業経営では経営者と現場の勘とセンスに任されていたため、安定的かつ継続的に利益をあげるのが難しかったのかもしれません。

BIは実測された具体的な数字を瞬時に分析します。結果をもとに判断したり企画を発想したりするのは人間ですが、そこにいたる手間と時間を大幅にカットできます。経営者が現場で考えることも大事ですが、現実的・客観的な数字をもとに、複数の人と共有しながら意見交換するのも必要になってきます。数値化すれば傾向がみやすくなり、トレンドの把握にも役立ちます。

BIにはそれを使うこなす力も必要ですが、各ITベンダーも競争しながら質を高めており、わかりやすいインターフェイスをもったシステムも多く発売されています。

IT活用で効率化

ERPは企業の資源を管理し、グループウェアはコミュケーションを効率化・活性化します。BIは財務や販売などのデータを分析し、将来の予測や経営の改善に役立てることができます。クラウドシステムや技術の発達によって、これらのITシステムを活用することのハードルは下がっているといえます。これからの中小企業経営にとって、ITの活用は重要な位置を占めるでしょう。

※当記事は2017年6月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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中小企業向け、社員研修の定義から使い分けまで紹介

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(写真=Pressmaster/Shutterstock.com)

市場の変化や企業間競争の激しさを受け、中小企業も含めて多くの企業が社員への研修を導入し、企業の継続的な成長を促す動きが活発になってきています。研修の主な目的は職務に必要な技術や知識を習得することで、必要に応じて社内研修と社外研修を使い分けることが必要です。

今回は改めて社員研修の定義を振り返りながら、企業内で実施される社員研修の種類とその使い分けについてご紹介します。

社員研修とは?

社員研修とは企業が社員に対して、人材を育成するために行う研修です。雇用する企業や経営者の望む職務を遂行できるようになるために、社員ごとに必要なプログラムを選択します。

入社後に行われる新人研修や、中堅社員を対象とする研修、OJT、リーダー研修、管理職のためのマネジメント研修まで、研修にはさまざまな種類があります。また、社内で実施する社内研修と、外部機関が運営する社外研修があります。

研修の特色を見てみると、知識型の研修とマインド型の研修の2つに大きく分けることができます。最近では、技術的な知識を得るためのプログラムだけではなく、自己育成や自己発見といった自己啓発系の研修も注目されています。

知識型の研修では生産性の向上を図り、マインド型の研修では仕事に対するモチベーションの向上を期待することができるので、相乗効果で仕事の効率も上がるというわけです。

生き生きとした人材がいてこそ、企業は活動を続けることができます。中小企業にとっても、社員研修は社員を育てるための最も有益な投資方法のひとつといえるでしょう。

知識型の研修

知識型の研修は、今までの職務とは異なる技術的な知識を学んだり、さらなるスキルアップを望む社員のために取り入れる研修です。プログラムは、オフィスワークで必要なコンピュータープログラムの学習、新しいソフトウェアの操作方法の修得、取り扱い製品についての技術面や流通面の知識、商品を売り込むためのセールス戦術、すべての業種に共通して必要なロジカル・シンキングの知識など、さまざまです。

雇用主は、社員に必要な知識やスキル、適性などを十分考慮した上で、数ある研修の中から最適なコースを選択することが必要です。社員のスキルシートをベースに、能力にあった無理のない研修を選ぶことが大切です。
特に知識型の研修の場合は、研修を受講する社員が今後企業でどのような位置づけになるのかという将来的なキャリアプランを見据えながら、最適な研修を選択するようにしましょう。

マインド型の研修

マインド型の研修は、メンタリングやコーチングなど心の内部の成長や改革を促すものです。代表的なものとしては、モチベーションの向上やポジティブシンキングの学習などが挙げられ、その他にも意思伝達力や問題解決力の育成、自己発見の育成などがあります。

加えて、管理職に向けたプログラムとしては、組織運営に必要な的確な判断力の育成、タスク処理のスピード向上やリーダーシップの確立を目的としたものが挙げられます。

思考のための枠組みを鍛えることによって、社員はさまざまなシーンに対応できる人材となります。そうした人材が集まることで強固な企業体を築き上げていくことが、企業にとっては重要です。知識型の研修と並行して、社員を内側から磨いていくマインド型の研修を取り入れることで大きな効果が期待できます。

こうしたマインド型の研修で得られる効果はすぐには現れづらい場合があることは念頭においておくべきです。しかし、内容によっては後々になって大きな結果となって表れることも期待できます。企業がマインド型の研修に注目するのも、こうした内面の成長が結果として生産性の向上につながるからです。

中小企業は社内・社外の研修をうまく使い分ける

社内研修と社外研修は、希望する研修の内容や社員の能力に合わせて選択し、うまく使い分けをすることが大切です。

例えば、企業が属する業種の特徴や顧客との関わり方、流通性など、その企業に密接な知識を学ぶには、社内研修が向いているでしょう。他方、コンピューターのプログラムやソフトウェアの使い方や、グループワークで必要な論理的思考のノウハウ、チームワークのあり方の理解、セールスでの有効的なアプローチ方法など、多くの業種に共通するような内容の場合は外部の研修をうまく取り入れるといいでしょう。

企業を支える社員の成長を促し、企業の成長につなげることができる研修は、企業にとって欠かせないものです。人材育成への補助金などを活用して、企業を大きく育てていきましょう。

※当記事は2017年2月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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中小企業にオススメの社内コミュニケーションツール紹介

Communication

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現代社会においてSNSを利用している人が若い人を中心に増えてきています。企業によってはコミュニケーションツールを利用して社員間のコミュニケーションの手助けとしようと試みているところも存在します。中小企業において、社内コミュニケーションツールは必要なのでしょうか?使用する場合、どのようなツールがあるのか、ご紹介していきます。

社内コミュニケーションとは?

社内コミュニケーションとは、文字通り従業員間や経営者と従業員間のコミュニケーションのことを指します。そうしたコミュニケーションが充分になされていない状況において、どのような問題が発生しうるでしょうか。例として、従業員の突然の退職などが考えられます。中小企業において、時間や労力をかけて育ててきた従業員が退職してしまうと、大きな損失につながります。このようなことを未然に防ぐには、社内コミュニケーションを通して従業員のスキルと業務の適合度や、意欲に関するちょっとした変化を感知することが重要です。また従業員間で課題意識や目線を共有することで、従業員のやる気を引き出し、連帯感を生み出すことにも有効と考えられます。

中小企業の社内コミュニケーションは必要か?

中小企業における社内コミュニケーションについて、従業員の少なさから直接コミュニケーションを取ればいいとして、ツールを不要と考えている経営者がいるかもしれません。しかし、中小企業庁の「人材マネジメントに関する実態調査」によると、30%の従業員が通常業務の多忙さを理由として経営者とコミュニケーションを取ることが困難と回答しています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの行った「働きやすい職場環境に関する調査」によると、中小企業の従業員の仕事のやりがいの源泉は「賃金水準」に続いて「自分の仕事に対する社内の評価」が大きくなっています。このことから、上司などが積極的にコミュニケーションを取って従業員の仕事を評価することで、従業員の会社に対する満足度を高めることができると言えます。

従業員の会社に対する満足度が高まると、仕事に対するやりがいも生まれ、より良い仕事のアイデアが生まれることもあるでしょう。そのため、従業員の仕事に対する満足度を高めることは会社の成長のためにも重要なことなのです。中小企業において、人材の流出は時に死活問題となり、新たな人材育成にもコストがかかってしまいます。いかに人材を育て、コミュニケーションの活性化によって流出させないかがコスト削減に繋がり、さらに会社の成長につなげていくことが可能となるのでしょう。

社内コミュニケーションに使用するツールは何がある?

それでは、実際に社内コミュニケーションに使用するツールはどのようなものがあるのでしょうか?具体的には、メール、電話、社内掲示板、休憩室などリフレッシュスペース、チャットツールが挙げられます。

近年では、SNSの普及に伴い、チャットツールを利用している企業も多くなっています。ビジネス用のチャットツールは、メールと比較して形式的な文言を不要とすることが多いため、気軽に利用できる特徴があります。また、手の空いた時間にサッと返信することができるため、多忙な従業員にとっては電話やメールよりもコミュニケーションツールとして利用しやすくなっていることから、導入を開始する企業が増えていると考えられます。

チャットツールの中には、簡単な絵文字などで従業員同士の気軽な情報共有を促したり、共通の関心事のある社員同士でグループチャットを作成したりすることのできる機能を持っているものもあります。コストを気にする中小企業において、このビジネス用チャットツールの導入は、便利なサービスであるとともに、SNSを活用している若い従業員にもなじみやすいものと言えるのです。

また、デスクトップPCだけでなく、スマートフォンのアプリ上からの操作が可能になっているものが多いのもポイントです。

コミュニケーションツールをうまく活用する

コミュニケーションツールをうまく活用することによって、終業後の飲み会をコミュニケーションの主戦場としなくとも、十分に社員間や経営者・従業員間のコミュニケーションを取ることができます。コスト面においてもそれほど負担にならないでしょうから、企業の成長のために導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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なぜ中小企業にビジネスモデルは必要なのか?

businessModel

(写真=kenary820/Shutterstock.com)

しっかりとしたビジネスモデルの構築は、「特定の顧客や営業マンが離れても、会社は継続していけるだろうか?」「新しい事業に、お金や人は集まるだろうか?」といった企業の課題を解決してくれるカギとなります。今回は、ビジネスモデルの定義、効果、中小企業における必要性を説明します。

ビジネスモデルとは何か?

ビジネスモデルとは、簡単に言えば企業の目的・目標を達成するための「仕組み」です。企業は売り上げや利益の構築を個人の営業力や特定顧客の動向に頼るのではなく、再現性のある「仕組み」としなければいけません。確固たるビジネスモデルは、主に次の4つによって構成されます。

1. 目的および目標(Why・When・How much・How many)
「この事業を何のためにするのか」「なぜこの方法をとるのか」「いつ、何をすれば、目的を達成できるのか」を具体的に示します。

2. 市場および顧客(Who・Where)
「どのような人々が顧客となるか」「顧客となる人々にはどのような共通点があるか」を想定します。それだけでなく、適正かつ継続的に利益を上げることを前提にした、利害関係者(ステークホルダー)とのあり方を描きます。

3. サービス・商品製造販売を実現するための仕組み(How・What)
顧客がニーズを満たす方法、そのために自社が備えているヒト・モノ・コト・情報などの資源を明らかにします。

4. 事業を継続・発展させていく仕組み
顧客、従業員、銀行などの利害関係者にとって、企業は存続するのが前提です。上記のような仕組みを、継続して発展させていくことを示す必要があります。 

ビジネスモデルによる効果は?

ビジネスモデルを構築する主なメリットは、「既存事業の見直しができる」、「新規事業を明確に組み立てることができる」、「ビジネスプランを作成しやすくなる」の3点です。

1.既存事業の見直しができる
利益構造、顧客、自社資源などの要素を体系的に分類することで、既存の事業を評価し、分析しやすくなります。

2.新規事業を明確に組み立てることができる
事業の準備段階において、一定の枠組みに基づき、もうかる仕組みを具体化することで、現実的かつ詳細に戦略を検討することができます。

3.ビジネスプランを作成しやすくなる
ビジネスモデルの延長線上にはビジネスプランがあります。ビジネスモデルとビジネスプランはよく似ていますが、ビジネスモデルは上場企業の有価証券報告書のように企業の全体像をつかむためのもの、ビジネスプランは決算書や事業の概要などの、より細かい粒度で具体的に形にしたものです。ビジネスプランは、新規事業の立ち上げや起業などの際、投資家などの利害関係者へ説明するために利用されます。

なぜ中小企業にビジネスモデルが必要なのか?

中小企業は新規の企業(スタートアップ)と既存の企業に分けられます。どちらにとっても、継続・発展していくためにはビジネスモデルが必要です。

スタートアップ、いわゆるベンチャー企業を立ち上げるときにはお金や人材などの経営資源を調達することになります。資金調達先や人員募集の際には、わかりやすく事業の魅力を伝える必要があり、ビジネスプラン(その中核となるビジネスモデル)が不可欠です。

新規事業の立ち上げは忙しく、想定外のことが起こりえます。その中で自社が取り組むことを見失わないためには、しっかりとしたビジネスモデルを構築することが効果的です。そのためには、詳細な戦略を立案し、実績を評価・軌道修正していく必要があります。

既存の中小企業に多い下請け企業にとってもビジネスモデルの重要性は高いです。中小企業庁が2013年8月に発表した「下請中小企業の現状と今後の政策展開について」によると、1つの企業に対する売上が50%を超える下請け中小企業は、全体の約40%を占めます。

ひとつの取引先への依存度が高くなれば、取引先の経営が傾いたり、取引が打ち切られたりしたときに、倒産のリスクが高まり、事業継続が危ぶまれる可能性もあります。

ビジネスモデルの構築は、そのような中小企業特有のリスクを回避するための手段として有効です。ビジネスの展開や発展性を考えて、利益を生み出す仕組みを確立することで、特定の会社との関係性に依存することなく、新たな市場を切り開くことができるようになるのです。

ビジネスモデルは事業の継続・発展に役立つ

中小企業がビジネスモデルを明確にすることは、既存事業を見直し、新たな収益の仕組みを構築するのに役立ちます。また、新規事業の戦略を策定する土台になり、利害関係者に説明する際にも活躍します。よりよい経営のためにも、ビジネスモデルを確立させるとよいでしょう。

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オフィス移転はタイミング 中小企業のお悩みポイント

Timing

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規模の拡大、建物の老朽化、企業のイメージアップなど、オフィス移転が必要となる理由はさまざまです。しかしどのような理由であっても、移転にかかる費用と労力は大きくなります。移転を成功に導けるよう、しっかりと準備をしましょう。うまく制度を活用すれば、国や行政から補助を受けられるかもしれません。

今回はオフィスの移転に焦点をあて、確認するべきポイントや利用できる補助制度を紹介します。

オフィスを移転させる時にチェックすべきポイント

オフィス移転には、入念な準備が必要です。費用と資金、立地とイメージ、広さと内装、オーナーと移転業者、工事と引っ越し作業のスケジュール、行政対応など、確認するべきポイントはたくさんあります。

まず確認するべきポイントとしてあげられるのが、初期費用です。賃料や共益費など毎月かかる費用も重要ですが、初期費用として一定期間分の保証金を入れることもあるため、資金が足りなければ銀行借り入れなどが必要になるかもしれません。

また、立地も重要です。業態にもよりますが、立地・建物のイメージが良好だと、顧客や仕入れ先との関係づくりや採用活動などに有利になります。オーナーはもちろん、他のテナントや周辺に反社会的勢力の事務所がないか、騒音や悪臭などはないかなどを、現地に行って直接確認します。

スケジュールは現在、入居するオフィスと賃料発生期間がなるべく被らないことに留意しつつも、新オフィスの内装工事や引っ越し作業など余裕を持って予定を引く必要があります。

事業成長の未来図に合わせて検討を

費用や手間の観点から、何度もオフィス移転を繰り返すのは現実的ではありません。長く拠点として利用できるように、計画的に考える必要があります。将来的な事業規模の拡大・縮小、採用計画、投資計画、事業内容の変化、M&Aなど、経営者が考える未来図を反映させます。

とはいえ、必要以上の広さの設備を借りると無駄な経費が発生してしまいます。オフィス街や大規模な商業ビルなど、すぐ近くに似た物件が見つかるエリアであれば、柔軟に対応できるようになります。入居中のオフィスはそのままで、一部の人員から徐々に移転させることができるからです。

建物等設置事業(移転)補助金を活用しよう

自治体によっては、オフィスの移転に対して補助金を交付していることがあります。多くはビジネスを特定の地域に集積して、経済の発展を促そうというものです。例として浜松市と横浜市の補助金制度を紹介します。

● 浜松市
浜松市では、都心オフィス進出支援事業費補助金という制度があります。JR浜松駅の北側を中心とした「浜松市中心市街地活性化基本計画」の認定区域内に事務所を借りる企業に、賃料の2分の1相当×36ヵ月分を補助します。一般オフィスと大型オフィスの2種類があり、補助金額は一般オフィスで最大360万円、大型オフィスでは、オフィスの賃借料の他に、通信回線使用料や新規雇用者の補助も含め、最大1億円です。

● 横浜市
横浜市では、テナント企業の他、自社ビルを購入・建築した場合にも補助があります。前者は法人税に相当する金額の一部を交付するもので、1年あたり最大1億円にもなります。後者は固定資産税の軽減、または土地や建物の取得費から算定し最大12%の補助を受けることができます。対象の地域は、みなとみらい・横浜駅周辺、京浜工業地帯、港北ニュータウン地域などです。

国でも「地方拠点強化税制」という制優遇政策を採っています。本社機能を地方に移転した場合や地方の本社機能を拡充した場合に、法人税の優遇を受けることができます。特に東京23区から本社を移転する場合は、オフィス減税として建物等の取得価額に対し、特別償却25%または法人税の7%が控除されるなど、非常に大きなものになります。

オフィス移転は計画的に

オフィスを移転する場合には、将来的な経営計画を考慮に入れなければ、再び費用と労力をかけて移転することになりかねません。

国や自治体から、賃料や社屋取得費の補助、減税などの優遇を受けられることもあります。これらの要素を勘案して、計画的に行いましょう。

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従業員満足度が業績を上げる? 中小企業の福利厚生への3つのサポート

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(写真=PIXTA)

中小企業のなかには日々の業務に追われて、従業員の福利厚生まで手が回らないという企業もあるのではないでしょうか。こうした状況に対応するため、厚生労働省をはじめさまざまな公的機関が余暇施設、保険、教育などの福利厚生サービスを提供しています。

民間のアウトソーシングサービスには魅力的なものが多くありますが、安価で安心できる公的機関のサポートもあります。今回は、その公的機関のサポートについて紹介します。

中小企業勤労者福祉サービスセンター

中小企業勤労者福祉サービスセンターは、各市町村に設置されています。会員企業による会費を原資として、健康管理や自己啓発、財産形成などに関わるサービスを提供しています。

一例として、公益社団法人渋谷区勤労者福祉公社の事業を紹介します。

東京都では23区(一部は共同運営)と各市で合計28の社団法人・財団法人があり、そのうちの一つがこの公社です。渋谷区内に勤めているか住んでいる中小企業の従業員や事業主が個人単位で入会し、月額500円を納めます。借り上げ宿泊施設を1泊1,500円から利用でき、カルチャースクールや自動車教習所の受講料の補助を受けることもできます。補助は他にもスポーツ、グルメ、温泉施設など多岐にわたります。健康診断も行っており、月2回まで無料で相談できるこころの相談室も設けています。

もし興味がある場合は、会社がある自治体に設置されているサービスセンターのサービスも調べてみましょう。

公益財団法人 東京都中小企業振興公社

公益財団法人東京都中小企業振興公社は、東京都における中小企業の支援機関として、経営相談や助成金、貸し会議室などさまざまな事業をしています。その中の一つで「福利厚生なび」は余暇施設などが利用できる会員サービス「JOYLAND」の運営と、主に健康づくりをテーマにした研修の紹介をしています。

JOYLANDの入会資格は中小企業であることです。中小企業の定義は業種によって変わります。会費は従業員数によって異なります。10人以下であれば、1企業あたりの年会費が1万9,800円で利用できます。入会すると従業員とその家族は遊園地やスポーツ施設、旅行やレンタカーなどが安価で利用できます。

一般財団法人 あんしん財団

一般財団法人あんしん財団は中小企業の発展のために運営されている団体で、主な事業は福利厚生、ケガの補償、災害防止の3つです。

福利厚生には、健康診断の補助から、メンタルヘルス相談窓口の利用、施設利用や介護士資格取得、支援など、健康・レジャー・自己啓発と幅広く対応しています。

ケガの補償は業務中だけでなく日常生活における事故も対象になり、死亡・後遺障害・入院・通院と幅広く適用されます。

災害防止としては、安全運転適性診断の受診、災害防止用機器の設置などに対して補助金がでます。

また、法人でも個人事業主・一人親方でも会員になることができます。会費は1人につき月額2,000円です。東証一部・二部上場企業は対象外としているところに、中小企業支援を目的にしていることが表れています。

従業員の心と体に一層配慮を

福利厚生サービスについて紹介しました。紹介したものは、1人当たり月額500円からと安価で、幅広い分野に対応可能です。福利厚生に時間と費用を割くことが難しいと考える中小企業にとっては、公的機関が力強い味方になります。

働き方改革が叫ばれる昨今、従業員の心と体の健康を維持し自己啓発を促すことは、企業にとって重要になりそうです。

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中小企業の「AI」はバックオフィスから?人材不足を解決する活用法とは

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現在、AI(Artificial Intelligence:人工知能)が次世代の重要な技術として扱われ、いろいろな場面で耳にすることが多くなっています。もしかしたら、特に技術者ではない方は「AIが実用化されるのはまだ先では」と考えている方も多いかも知れません。しかし実際には、既に多くの分野でAIは実用化されています。上手く活用すれば、中小企業の人材不足を補ったり、コストを削減したりできる可能性があるのです。

そもそも「AI」とは何なのか?

そもそも、AIとはどんなものでしょうか。AIの正体はコンピューターのプログラムで、人間の脳の働きを真似たものと言えます。従来のコンピュータープログラムは、人間が定義したタスクを、人間が定義した演算方法に基づいて処理していましたが、AIは自ら問題を発見し、自ら回答を見つけるという点に特徴があります。AIはニューラルネットワークという人間の脳をモデルとした情報処理システムの上で動いており、大量のデータを与えると人間の赤ん坊の脳が行うように、自らデータから学び、判断を下すことができる様になるのです。

注目のディープラーニング技術

AIとともに最近良く耳にする言葉が、ディープラーニングという言葉です。これはニューラルネットワークが、与えられたデータを元にパターンを見つけ出し、自ら判断ができるようになる過程を指しています。例えば、Googleが2012年に公開したとある実験の結果では、Youtubeからランダムに取り出した画像1,000万枚(そのうち、3%に人間の顔が含まれる)をAIに学習させました。すると、AIは「一般的な人間の顔」のイメージを自ら作成し、与えられた画像が「人間の顔かどうか」を判断できるようになったのです。

この実験で画期的なのは、AIには「顔の画像とはどんなものか」ということを教えていないことです。AIが自ら、一般的な人間の顔のパターンを認識し、画像が人間の顔かどうかを判断し始めたのです。この後、AIは猫の顔も識別できるようになっています。

>>【次ページ】AIツールにはどのようなものがある?

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中小企業が知りたい顧客ニーズについて

(写真=Laborant/Shutterstock.com)

中小企業基本法によれば、中小企業とは製造業・その他の業種の場合「従業員数300人以下または資本金3億円以下」の企業を指します。この定義から分かるように、比較的小規模で操業している企業と見ることができますが、このような企業が取引先としている顧客のニーズとはどのようなものでしょうか?今回は、中小企業と顧客ニーズの関係について解説していきます。

顧客ニーズとは?

顧客ニーズとは、顧客が必要としているサービスや商品が提供している価値と言い換えることができます。ニーズという言葉は、日本語で「必要性」を指します。例えば、お腹が空いたときに何か食べるものが必要になります。この食べ物がニーズです。顧客ニーズを把握していないと、製造業であれば効果的な製品開発が行えず、売り上げを伸ばすことが難しくなるのです。そのため、顧客ニーズをつかむことが企業経営には必要とされています。

大企業も中小企業も、新たな技術や商品を開発する上で顧客ニーズや顧客動向を重要視している傾向にあります。競争相手の動向や国の政策、業界のトレンドよりも自社の顧客ニーズが大切と考えている企業が多いと言えます。

マーケティングとは?

マーケティングとは、どんな価値を、誰に、どのように提供するか、という視点で考えていくことです。顧客ニーズを把握し、このニーズに合致した商品やサービスを提供していくことが、顧客との信頼関係の強化や自社の成長性の高く安定した企業運営を実現することにつながります。

マーケティングは、市場が日々流動化していくことに伴い、刻々と変化していくものです。時流を読み、他社との差別化・具体化したものを提供することによって、いわゆる「売れる仕組み」を作っていくことが重要です。

潜在的なニーズ、ウォンツとは?

潜在的ニーズは、顧客ニーズの中でも、顧客自身が気付いていないニーズです。例えば、顧客が行っている事業について必要と思われるものを先んじて提案したり、取引している製品について改良案を提示したりすることで顧客の潜在的ニーズが明確になります。

また、ウォンツとは、顧客ニーズからさらに一歩踏み込んだものです。具体的には「これが欲しい」という欲求。例えば、お腹が空いたときに「ハンバーガーが食べたい」と思う気持ちは具体的な欲求を示しています。これをウォンツと言います。ウォンツに合致したものを提供することができれば、顧客と長期間取引することが可能となり、安定した売り上げにつながります。

マーケティングの戦略は4つある

マーケティング戦略として有名なものに、マーケティングミックス(4P)という考え方があります。4つの「P」は、 商品戦略(Product)、価格戦略(Price)、流通戦略(Place)、販売促進戦略(Promotion)です。具体的に見ていきましょう。

・ 商品戦略
商品戦略とは「『販売したいもの』の性質を明確化し、市場に投入する『プロダクト』の決定、および市場投入を行う一連の手続き」と言い換えられます。(中小企業庁資料より)。顧客ニーズの調査などで上がってきたデータをもとに、それに合致した、または潜在ニーズやウォンツを掘り起こす製品を組織立って計画的に行います。

・ 価格戦略
価格戦略は、顧客が製品やサービスに対して支払う対価について適正な額を決定することです。この価格戦略には、高くても買ってくれる顧客に対して商品やサービスを提供する方法や、導入から早期に市場に浸透させるように安価な価格設定にする戦略などが存在します。

・ 流通戦略
流通戦略とは、商品の販売において流通経路を決定し、商品が消費者の手に渡るまで取引に関わる経路を管理することです。

3つのパターンがあり、1つは開放的流通政策と言って、流通を制限しないものです。これは自由な取引を認めるため市場において最適な流通が行われる反面、商品価格が下落する危険があります。もう1つは、選択的流通政策と言って競合他社の商品の取り扱いの程度などから取引する相手を限定するものです。流通経路を把握できるようになる反面、流通のスピードが遅くなることがリスクとして存在します。そしてもう1つは排他的流通政策と言って特定の地域や販売先に販売独占権を与える流通管理方法です。排他的流通政策を採用すると販売経路を把握することができる反面、流通の単価がかかることになります。

これらの流通戦略は、一度決定してしまうと変更するのは容易ではないため、中長期視点から慎重に決定していく必要があります。

・ 販売促進戦略
販売促進戦略は、商品を販売する際に多く購入した場合に値引きしたり商品をバンドルしたりすることでより販売数を上げていく手法です。エンドユーザーの消費者に対しては、クーポンの配布や、広告などを通して訴求して、販売力の強化を図ります。

顧客ニーズとマーケティング戦略の両輪が大切

顧客ニーズをきちんとつかむことは、中小企業において長期間取引してもらうことで企業経営を安定させるために、とても重要なものです。そして、顧客ニーズを商品に実現させる技術力や商品を広く浸透させるマーケティング戦略を行うことによって、新規顧客の獲得や売上増加につなげていくことが可能となるのです。顧客ニーズとマーケティング戦略の両輪で企業を成長させていくことができると言えます。

※当記事は2017年2月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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中小企業の新商品開発で失敗しないプロセスの特徴

Product

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

自社商品の販売が収益の柱になっている企業の場合、新商品開発を成功させることは非常に重要です。特に中小企業であれば、ひとつの新商品を産み出せるかどうかが会社の将来性に大きく関わってくることもあります。では、どのような中小企業が新商品開発に成功しやすいのでしょうか?今回は、中小企業が新商品を開発する場合に、成功と失敗を分ける要因について解説します。

新商品開発に成功しやすい中小企業の特徴

中小企業が新商品を開発するとき、成功しやすい企業にはどのような特徴があるのでしょうか。少し古い調査になりますが、2005年版の中小企業白書に「新製品開発を成功する企業の特徴」として調査が紹介されています。その調査によると、新商品開発の成果を上げている企業はそうでない企業に比べ「企画・提案の能力」、「独自性のある商品を提供」、「先進性のある技術の導入」に特に優れています。また、企業属性の項目において新商品開発の成果を上げている企業は「恒常的に行う企画・開発の有無」に特に優れています。新商品開発に成功しやすい中小企業は、企画提案力・独自性・先進性といった強みを持っており、継続的に企画・開発を行う体制が整っているということがわかります。

では、商品開発に失敗しやすい企業の特徴はあるのでしょうか。これらについてまとめた調査はあまり見られませんが、社内での新商品開発に対する取り組みの度合いや、意識がポイントになっていることが多いのではないでしょうか。特に従業員の意識を高める上で、日頃高い目線で取引先とコミュニケーションし、情報収集をしている経営トップの掛け声が大きな役割を果たします。現場はどうしても日常の業務に目が向きがちで、気がつくと部門やラインごとに閉じたコミュニケーションが行われる様になってしまいますので、定期的に経営トップが新商品開発に向けた意識づけをしていくことが重要です。

中小企業の新商品開発向け補助金は何がある?

中小企業が新商品を開発するためには、企画力だけでなく開発資金が必要です。いくら良いアイデアであっても、資金が不足していると実現することが困難です。そこで、新商品開発向けの補助金を活用することで資金不足を解消できる可能性があります。(以下に記載する補助金に関する情報は、2017年1月現在の情報に基づいて記載をしております。募集状況は変動しているため、最新の情報は中小企業庁の運営する「ミラサポ」など各種のホームページをご参照下さい。)

たとえば「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」は、中小企業の新商品開発に利用しやすい補助金です。これは、中小企業庁が年度ごとに交付している補助金で、経営力向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するためのものです。補助の対象事業は2種類あり、「IoT・AI・ロボットを活用する革新的ものづくり・商業・サービス開発」の場合は上限3,000万円で、「経営力向上に資する革新的ものづくり・商業・サービス開発」の場合は上限500万円から1,000万円となります。いずれも補助率は必要となる費用の3分の2になります。革新的なサービスや商品開発のアイデアがある場合は、利用を検討してみるとよいかもしれません。

プランを持って上手に商品開発を

中小企業が新商品開発を成功させるためには、やみくもにリソースをつぎ込むのではなく、長期的なプランとそれを支える十分な資金が必要です。社内の優れたアイデアやノウハウを商品開発に生かし、将来の収益源として育てていくためにも、補助金を活用するなどの効果的な資金調達を検討していきましょう。

※当記事は2017年1月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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中小企業が知的財産戦略を考えるべき理由とは?

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(写真=argus/Shutterstock.com)

現代社会で企業が成功を収めるためには、効果的な知的財産戦略を持つことが重要です。知的財産戦略については、政府も政策会議に「知的財産戦略本部」を設置するなど注力していますが、日本の中小企業では戦略の推進に課題を抱えているケースが多いと言われています。そもそも知的財産戦略とはどのようなものかがわからないと、効果的な戦略を立てることもできません。そこで今回は、知的財産戦略のことと、中小企業がそれを考えるべき理由についてご説明します。

知的財産戦略とは?

知的財産戦略とはどのようなものなのでしょうか。これは、特許をはじめとした知的財産を適切に管理し、将来にわたって不利益を受けないようにすることです。たとえば、大変価値の高い技術を持っていて特殊な性能の機械を製造することができても、それについて特許を取得していなければ、すぐにライバル社に類似品を作られてしまいます。このような場合、その技術や商品について事前に特許を取得していれば、不当に利益を横取りされることを防ぐ抑止力にもなりますし、もし作られたとしても差し止めなどの請求ができます。知的財産戦略を実行していないと、せっかく自社で苦労して開発した商品や技術をすべて他社に持っていかれることになるなど、大変な不利益を被ってしまうのです。

中小企業に求められる知的財産戦略とは?

それでは、中小企業に求められる知的財産戦略とはどのようなものなのでしょうか。日本の中小企業には、高い技術を持った会社がたくさんありますが、それに対して特許を取得していない企業が多くあることが、過去に三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が中小企業に対して行ったアンケート「市場攻略と知的財産戦略にかかるアンケート調査(2008年12月)」で明らかになっています。その理由としては、特許をそもそも取得していない、過去には取得していたけれども今はない、という回答が最も多く、50%を超えます。また、その原因は「知的財産についての知識不足」や「人材や資金の不足」と答えている中小企業が多かったのです。

そこで、まずは知的財産についての知識を持ち、そのための人材や資金を確保することが重要になってきます。例えば、技術に関する特許を適切に取得することにより、他社が容易に同じ分野に参入することを防ぎ、競合の増加を防ぐことができます。

中小企業に求められる知的財産の守り方とは?

中小企業が知的財産を守るためには、まず自社において知的財産戦略の何が足りないのかを考えましょう。「知的財産についての知識不足」や「人材や資金不足」によって特許を取得出来ていないケースであれば、専門家に相談したり、その分野に強い人材を雇用したりする方法によって知的財産を守ることができます。特許庁の管轄内の制度で、全国から無料で特許の相談ができる知財総合支援窓口や、民間の知財コンサルタント、弁護士、弁理士に相談することも有効です。

中小企業がするべき知的財産管理体制

中小企業が知的財産を適切に管理するためには、まずは会社全体が自社の知的財産についての意識を共有することが必要です。自社の知的財産についてまとめた資料を作り、その活用状況などを確認できるようにデータ化するとよいでしょう。そして、自社が知財を持っていることを営業や広報活動に利用したり、他社にライセンスすることなどによって市場や利益を拡大していく戦略をとったりすることも可能です。このように、適切に知財の管理と活用ができていれば、今後の企業経営にも役立つでしょう。

まずは知財の重要性を理解しよう

日本の中小企業は高い技術を持っていても、そのことを充分に認識して活用できていないなどの理由で、例えば外国企業などの参入を防ぎきれず不利益を被ることがあります。自社の強みを知り、効果的な知的財産戦略を組み立てることによって、そのような不利益を避け、むしろ自社の販路や利益を拡大していくことができます。今まで自社の知的財産戦略に重きを置いてこなかった企業は、是非とも今後は取り組みを始めてみると良いでしょう。

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