ロボット技術の進化は中小企業を救うのか

(写真=Photomontage/Shutterstock.com)

ロボット活用というと、大企業の製造現場を中心としているイメージがないでしょうか。これからは、中小企業でもロボットの活躍が期待されています。その背景となっている政府の取り組みについても解説します。

日本が直面する社会問題

日本は深刻な労働力不足の問題に直面しています。その原因は生産年齢人口の減少です。65歳以上の高齢者人口は過去最高の3,459万人で27%を超えています。生産年齢人口は7,656万人で60.3%と、低下しています。

高齢化の問題は、単純に就業できるひとの数が減っていくだけでなく、労働者の年齢が高くなっていくことも表しています。後継者がいなければ、高齢になっても労働を続けていく必要がありますが、体力が低下していくなかでの重労働は厳しいものとなります。

高齢者割合の増加は、介護という新たな重労働が増える原因ともなっています。ひとひとりの生活を補助するためには相当な体力が必要となりますが、就業者の年齢が高くなればなるほど人材にかかる負担は大きくなっていきます。

ロボットに期待されること

そんな中、注目を集めているのがロボット技術の活用です。ロボットは前述の単純作業や力の必要な労働をひとに代わることができます。

平成26年9月に経済産業省がまとめた「ロボットによる新たな産業革命について」では、2020年までに医療・介護、中小企業の生産、農業・建設・防災などのそれぞれの現場でロボットの活用を目指しています。

大手の製造現場だけでなく、むしろ人手不足の中小零細企業での活躍が期待されているでしょう。このようなロボットの活用によって、人手不足を解消すること、労働者の負担を減らすこと、多様な人材の活躍などが期待されています。

日本政府のとりくみ

先ほどの経済産業省の資料は、政府が開催する「ロボット革命実現会議」に報告されたものです。さらに同省は、この会議で「ロボット新戦略」というプランを打ち出しており、計画に沿って実施していきたいなどの意見が交わされています

戦略の柱は次の3つです。

1.日本を世界のロボットイノベーション拠点とする「ロボット創出力の抜本強化」
2.日本のいたるところでロボットがある日常を実現する「ロボットショーケース化」
3.ロボットが相互に接続しデータを自律的に蓄積・活用する、いわゆるIoTを前提としたビジネスを推進するためのルールや国際標準の獲得等に加え、さらに広範な分野への発展を目指す「世界を見据えたロボット革命の展開・発展」

数値目標としては、「2020 年までの5年間について、政府による規制改革などの制度環境整備を含めた多角的な政策的呼び水を最大限活用することにより、ロボット開発に関する民間投資の拡大を図り、1000 億円規模のロボットプロジェクトの推進を目指す。」としています。

他にも分野別に次のようなさまざまな目標が立てられています。
・組立プロセスのロボット化率向上(大企業25%、中小企業10%)
・次世代のロボット活用ベストプラクティスを毎年30例程度
・ピッキング、仕分け・検品に係るロボット普及率約30%
・2020年に介護ロボットの市場規模を500億円に
・2020年までに自動走行トラクターの農業現場実装を実現

中小企業だからこそロボット活用

日本は少子高齢化にともなって、労働年齢人口の不足が見通されています。この問題を解決する手段として、ロボットの活用が期待されています。政府としても、具体的な数値目標を設定して取り組んでいます。期待されている分野としては、大企業よりもむしろ食品製造現場、農業、介護など中小零細企業で活躍することが想定されます。注目してみてはいかがでしょうか。

※当記事は2017年6月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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