中小企業が知りたい顧客ニーズについて

(写真=Laborant/Shutterstock.com)

中小企業基本法によれば、中小企業とは製造業・その他の業種の場合「従業員数300人以下または資本金3億円以下」の企業を指します。この定義から分かるように、比較的小規模で操業している企業と見ることができますが、このような企業が取引先としている顧客のニーズとはどのようなものでしょうか?今回は、中小企業と顧客ニーズの関係について解説していきます。

顧客ニーズとは?

顧客ニーズとは、顧客が必要としているサービスや商品が提供している価値と言い換えることができます。ニーズという言葉は、日本語で「必要性」を指します。例えば、お腹が空いたときに何か食べるものが必要になります。この食べ物がニーズです。顧客ニーズを把握していないと、製造業であれば効果的な製品開発が行えず、売り上げを伸ばすことが難しくなるのです。そのため、顧客ニーズをつかむことが企業経営には必要とされています。

大企業も中小企業も、新たな技術や商品を開発する上で顧客ニーズや顧客動向を重要視している傾向にあります。競争相手の動向や国の政策、業界のトレンドよりも自社の顧客ニーズが大切と考えている企業が多いと言えます。

マーケティングとは?

マーケティングとは、どんな価値を、誰に、どのように提供するか、という視点で考えていくことです。顧客ニーズを把握し、このニーズに合致した商品やサービスを提供していくことが、顧客との信頼関係の強化や自社の成長性の高く安定した企業運営を実現することにつながります。

マーケティングは、市場が日々流動化していくことに伴い、刻々と変化していくものです。時流を読み、他社との差別化・具体化したものを提供することによって、いわゆる「売れる仕組み」を作っていくことが重要です。

潜在的なニーズ、ウォンツとは?

潜在的ニーズは、顧客ニーズの中でも、顧客自身が気付いていないニーズです。例えば、顧客が行っている事業について必要と思われるものを先んじて提案したり、取引している製品について改良案を提示したりすることで顧客の潜在的ニーズが明確になります。

また、ウォンツとは、顧客ニーズからさらに一歩踏み込んだものです。具体的には「これが欲しい」という欲求。例えば、お腹が空いたときに「ハンバーガーが食べたい」と思う気持ちは具体的な欲求を示しています。これをウォンツと言います。ウォンツに合致したものを提供することができれば、顧客と長期間取引することが可能となり、安定した売り上げにつながります。

マーケティングの戦略は4つある

マーケティング戦略として有名なものに、マーケティングミックス(4P)という考え方があります。4つの「P」は、 商品戦略(Product)、価格戦略(Price)、流通戦略(Place)、販売促進戦略(Promotion)です。具体的に見ていきましょう。

・ 商品戦略
商品戦略とは「『販売したいもの』の性質を明確化し、市場に投入する『プロダクト』の決定、および市場投入を行う一連の手続き」と言い換えられます。(中小企業庁資料より)。顧客ニーズの調査などで上がってきたデータをもとに、それに合致した、または潜在ニーズやウォンツを掘り起こす製品を組織立って計画的に行います。

・ 価格戦略
価格戦略は、顧客が製品やサービスに対して支払う対価について適正な額を決定することです。この価格戦略には、高くても買ってくれる顧客に対して商品やサービスを提供する方法や、導入から早期に市場に浸透させるように安価な価格設定にする戦略などが存在します。

・ 流通戦略
流通戦略とは、商品の販売において流通経路を決定し、商品が消費者の手に渡るまで取引に関わる経路を管理することです。

3つのパターンがあり、1つは開放的流通政策と言って、流通を制限しないものです。これは自由な取引を認めるため市場において最適な流通が行われる反面、商品価格が下落する危険があります。もう1つは、選択的流通政策と言って競合他社の商品の取り扱いの程度などから取引する相手を限定するものです。流通経路を把握できるようになる反面、流通のスピードが遅くなることがリスクとして存在します。そしてもう1つは排他的流通政策と言って特定の地域や販売先に販売独占権を与える流通管理方法です。排他的流通政策を採用すると販売経路を把握することができる反面、流通の単価がかかることになります。

これらの流通戦略は、一度決定してしまうと変更するのは容易ではないため、中長期視点から慎重に決定していく必要があります。

・ 販売促進戦略
販売促進戦略は、商品を販売する際に多く購入した場合に値引きしたり商品をバンドルしたりすることでより販売数を上げていく手法です。エンドユーザーの消費者に対しては、クーポンの配布や、広告などを通して訴求して、販売力の強化を図ります。

顧客ニーズとマーケティング戦略の両輪が大切

顧客ニーズをきちんとつかむことは、中小企業において長期間取引してもらうことで企業経営を安定させるために、とても重要なものです。そして、顧客ニーズを商品に実現させる技術力や商品を広く浸透させるマーケティング戦略を行うことによって、新規顧客の獲得や売上増加につなげていくことが可能となるのです。顧客ニーズとマーケティング戦略の両輪で企業を成長させていくことができると言えます。

※当記事は2017年2月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

【オススメ記事】
中小企業がコンサルタントを雇うメリット、デメリット
中小企業の「AI」はバックオフィスから?人材不足を解決する活用法とは
まだある! 生産性向上のために中小企業ができること
中小企業でのM&A、成功・失敗から学べること
中小企業はどのようにスマホやタブレット端末を活用すべきか?

businext中小企業が知りたい顧客ニーズについて