中小企業の人材育成には補助金を利用しよう!

(写真=Gajus/Shutterstock.com)

中小企業の経営に携わる人の中には、従業員の能力を高めたい、自己啓発に取り組む従業員をサポートしたい、という想いを持たれている人もいるのではないでしょうか。 それでも、従業員を適切に指導する人材や場所が確保できなかったり、どのようなカリキュラムを組めば良いか判断に困ってしまったりする企業も多いようです。

今回は中小企業の人材育成の現状や、そのために活用が可能な助成金、そして教育訓練や職業能力評価制度など、従業員のスキルアップに役立つ国の制度についてご紹介します。

中小企業従業員人材育成の現状とは?

人材育成の必要性は理解していても、時間やコストの負担が大きなネックとなっている中小企業も多く、例えば何らかの人材育成のプログラムを組んで実践するのにも、二の足を踏んでしまうケースも少なくないようです。

独立行政法人、労働政策研究・研修機構の『ビジネス・レーバー・トレンド2015年8月号「特集―中小企業における人材の採用と定着」』から、現状をご紹介しましょう。その中で経営課題として筆頭に挙げられたのは「必要な人材の不足」(53.7%)、次いで「従業員の育成、能力開発」(47.1%)「人手不足」(29.8%)でした。欲しい人材がいない、もしくは採用した従業員をどう育成するかに、頭を悩ませる企業が多いことがわかります。

実際に行われている育成の取り組み内容としては、「指導者を決めるなどして計画的にOJTを行う」(39.2%)、「上司に手厚く指導育成するように指示している」(34.8%)、「社内勉強会、提案発表会に参加させる」(32.7%)等が挙げられています。長期的な視野で、従業員の育成を考えるキャリアライフプラン研修については、実践している企業は少数に留まっているようです。

助成金の対象となるのは?

コストの問題に関しては、厚生労働省による助成金の活用が検討できます。事業主に対して助成を行う「個別企業助成コース」と、3事業以上で従業員の合計が30人以上の事業団体に対して助成を行う「事業主団体助成コース」の2種類です。両方のコースを併用することはできませんのでご注意下さい。今回は「個別企業助成コース」について詳しく見ていきましょう。

「個別企業助成コース」は、事業主が「教育訓練・職業能力評価制度」、「キャリア・コンサルティング制度」、「技能検定合格報奨金制度」を新たに導入し、実施した場合一定額が支払われるものです。そのため、あくまで「実施すること」が要件になってきます。

実際に助成金がもらえるのは1制度ごとに10人までで、教育訓練の受講時間数が80%に満たない場合には支給されないなどの個別の条件も設けられているので気を付けましょう。

教育訓練、職業能力評価制度は、従業員に対する教育訓練や職業能力評価を、ジョブ・カードを活用して計画的に行う制度です。教育訓練制度は、部門別に必要な職業能力を従業員の役職別に整理し、それぞれに必要な教育訓練を体系化し、実施するような取り組みです。職業能力評価制度は、ジョブ・カードを使って職業能力を評価していき、従業員のモチベーションや技術の向上を図る取り組みです。制度導入助成額は中小企業で50万円、中小企業以外は25万円となっています。

キャリア・コンサルティング制度は、従業員に対して定期的にキャリア・コンサルティングを実施する支援制度です。従業員のキャリアプランを考えながら、主体性を持って意欲的に活動できるように支援していきます。制度導入助成額は中小企業で30万円、中小企業以外は15万円となっています。

技能検定合格報奨金制度は、従業員に必要な技能検定を受験してもらい、無事合格した者に報奨金を与えるという制度です。制度導入助成額は中小企業で20万円、中小企業以外は10万円となっています。

制度導入にあたり、雇用する被保険者数によって最低適用人数が異なりますので留意しておきましょう。詳細は以下の通りです。

雇用する被保険者数 最低適用人数
50人以上 5人
40人以上50人未満 4人
30人以上40人未満 3人
20人以上30人未満 2人
20人未満 1人

 

助成金制度を積極的に導入して、従業員とともに成長を

今までコスト面や指導する人材の不足という問題を抱えていた企業も、積極的に制度を活用して人材育成計画を整えるチャンスです。従業員の成長は企業の成長にもつながりますので、積極的に制度を導入してみましょう。

※当記事は2016年12月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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