中小企業が検討すべき9つの資金調達方法とは?

中小企業にとって「資金繰り」は重要なテーマの1つです。中小企業が活用できる資金調達方法にはどんなものがあるのでしょうか。以下では、公的・民間を問わず一般的な選択肢を取り上げていきます。

 

銀行からの融資

融資は、資金を提供する側からすると「お金を貸す」こと、資金を必要とする中小企業側からすると「借金」です。 代表的な金融機関である銀行から借り入れることで、運転資金や設備のための資金を手にできます。

●中小企業でも活用できる?

銀行融資は中小企業でも活用できます。しかし、そのためには十分な信用と良い経営状態が必須です。銀行側に「この会社は確実に返済できる」と思ってもらう必要があります。銀行の担当営業が個別に相談に乗る通常の融資と、審査フローや条件を定型的にし、貸出までのスピード性を高めたビジネスローン(法人向けカードローン)があります。

●金利

金融機関によって幅があります。 詳しくは各種金融機関のWebサイトをご確認ください。

日本政策金融公庫の融資

政府が100%出資している政策金融機関から融資を受けることができます。すべては地域を担当している支店へ相談に行くことから始まります。

●中小企業でも活用できる?

日本政策金融公庫は、中小企業を対象にした長期融資を扱っています。業種や企業規模によって「どの融資制度」を利用できるかが決まります。

●金利

日本政策金融公庫の金利情報ページにてご確認ください。

 

地方自治体による制度融資

地方自治体による制度融資とは、中小企業の資金調達を円滑にするために、各地方自治体が金融機関や信用保証協会と連携して提供している制度のことを指しています。

●中小企業でも活用できる?

目的が「中小企業の資金調達をサポートすること」である点と、金融機関にとって貸し倒れのリスクが少なくなる点からして、中小企業にとって身近な方法と言えます。

●金利

利子補給や信用保証料補助があるので、金利は日本政策金融公庫による融資とそれほど変わらないと考えられます。適用される利率は提供する自治体によって異なります。

 

ノンバンクからの融資

いわゆるノンバンクと言われる、金融事業を扱う事業者が行う融資です。銀行同様に、ビジネスローンや法人向けカードローンと呼ばれる商品や、特定の担保を示す商品があります。(例: 不動産担保ローン)

●中小企業でも活用できる?

中小企業でも活用できます。商品によっては、不動産などの担保や保証人が不要のものもあり、中小企業経営者にとっては手が届きやすい資金調達方法と言えます。

●金利

担保・保証人が不要な場合は金利は高くなる可能性がありますが、実際の金利は各社のWebサイト等にてご確認ください。同一のローン商品でも、利用限度額に応じて金利水準が変化します。

 

補助金・助成金の申請

事業内容や会社の規模によっては、国や自治体、企業から補助金や助成金を受けて資金の一部に充当することができます。

●中小企業でも活用できる?

補助金・助成金を受け取るためには一定の条件を満たさなければなりません。事前に募集要項を確認して、補助対象になる経費や割合、上限金額などを確認しておくほうが無難です。

●金利

融資と違って、補助金や助成金は「借金」ではなく、「返さなくてもいいお金」です。そのため金利は発生しません。ただし、受給のためには各種書類の提出や受給後の報告書の提出が求められる可能性があります。

 

他者からの出資

投資家や企業に株を割り当てることによって、資金面で援助してもらう方法もあります。これは資金を出す側から見ると「出資」、会社側から見ると「増資」になります。

●中小企業でも活用できる?

中小企業の多くは非上場企業で、株式を公開していないはずです。そんな中小企業でも、第三者割当増資によって資金調達することは可能です。

●金利

株式を購入する代わりに出資してもらうので、返済義務はありません。したがって金利は発生しません。ただし、業績によっては配当金の支払いが発生します。

 

クラウドファンディング

比較的最近登場した仕組みなので、多くの経営者にはまだ馴染みが少ないかもしれません。クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人から資金を集める仕組みのことです。

●中小企業でも利用できるの?

クラウドファンディングにはさまざまな形態がありますが、その中でも「融資型」「投資型」であれば中小企業でも利用しやすい形態です。

●金利

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)では、元本+金利を投資者に返済していくことになります。投資型クラウドファンディングに金利は発生しませんが、分配金や株式をリターンとして提供することになります。

 

友人・知人からの借り入れ

いくらかインフォーマルな方法になりますが、友人や知人からの借り入れによって資金繰りをする経営者がいます。

●中小企業でも利用できるの?

事業性資金として融資を受けるときには、後々のトラブルをなくすためにも正式な借用書を作成しておくと安心です。また、経理の面では資金の出どころを明確に記載しておく必要があります。

●金利

無利子融資なのか、それとも金利が発生するのかは、両者の話し合いによって決まります。

 

資産の現金化

融資や出資、補助金・助成金以外にも、個人や会社の資産を現金化することで資金調達が可能になります。代表的なのは不動産売却ですが、最近ではファクタリングなど手持ちの債権を現金化する方法も活用されています。

●中小企業でも活用できる?

手元に売掛債権があれば、ファクタリングという仕組みで期日より前に現金化できます。通常は専門業者に依頼して行います。

●金利

債権を売却したお金のため、ファクタリングに金利は関係しません。関係するのは業者に支払う手数料です。

 

最適な方法で賢く資金繰りしよう

資金調達について考えるとき、どうしても「金利はどうか」という観点で比較してしまいがちです。

たしかに金利設定はその後の返済に影響しますので、考慮すべき要素の1つと言えます。しかし金利ばかりに目を奪われていると本質を見逃し、困った事態に陥ってしまうことになりかねません。低い水準を狙うあまりになかなか融資が受けられず、資金がショートしてしまったら大変です。

そのときどきで最適と思える方法を活用して、賢く資金繰りをしていきましょう。

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中小企業経営者が知っておきたい3種類の補助金とは

(写真=Dominik Bruhn/Shutterstock.com)

中小企業者が利用できる補助金にはさまざまな種類のものがあります。以下では、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、東京都の分煙環境整備補助金を中心に紹介します。

ものづくり補助金

日本経済を活性化するためには中小企業などによる革新的な製品やサービスの創出が不可欠です。そのような認識のもと、政府でも革新につながる事業活動を後押ししています。その中心的な施策となっているのが「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」(通称「ものづくり補助金」)です。

● 補助対象
ものづくり補助金の補助対象となっているのは、経営力向上に資する革新的サービスの開発、試作品の開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資です。ものづくり補助金は毎年実施されている事業ですが、年によって条件は異なっています。そのため、具体的な支給要件、公募期間、申し込み手続きなどは公募要領で確認することになります。

● 補助金の上限
補助金の上限は条件に応じて1,000万円、500万円などが基本となっている傾向です。特に、第4次産業革命に向けてAI、IoT、ロボットを活用する革新的ものづくりに対しては3,000万円となっています。対象となる経費支出のうち2/3以内が補助されるのが一般的です。

● 公募状況
補助金の公募は2017年1月で締め切っています。しかし、2017年11月の商工会全国大会で安倍首相が2017年度補正予算に、ものづくり補助金を盛り込むと言及したという報道もあり、今後の継続が期待されています。

小規模事業者持続化補助金

ものづくり補助金より小ぶりな補助事業として、小規模事業者持続化補助金があります。

● 補助対象
小規模事業者持続化補助金は、卸売業や小売業であれば従業員5名以下の事業者など一定の規模以下の小規模事業者が対象です。対象事業としては、商工会議所などの支援を受けながら経営計画にもとづいて実施する販路開拓、業務効率化、生産性向上となっています。

● 補助金の上限
対象経費の2/3以内を補助するという形式はものづくり補助金と同様ですが、補助金の上限は原則として50万円と比較的少額です。小規模事業者持続化補助金についても、公募は2017年5月でいったんは締め切っていて、2018年以降に継続されるかどうかは予算の成立に依拠しています。

● 公募状況
金額的にホームページ作成やPOSシステムの導入などにも向いている補助金です。興味のある事業者の方は日本商工会議所などのホームページで公募情報をこまめにチェックするといいでしょう。

東京都の分煙環境整備補助金

訪日外国人の増加やインバウンド市場の拡大は経済活性化を目指す自治体にとっても重要な施策です。東京都では、外国人旅行者が快適に宿泊施設や飲食店を利用できるよう分煙環境の整備に対する補助事業を行っています。それが分煙環境整備補助金です。

● 補助対象
分煙環境整備補助金は、多言語対応に取り組む宿泊事業者や飲食事業者が対象です。

● 補助上限
喫煙室の設置、エリア分煙、フロア分煙などの措置に必要な設備および備品の購入、改修工事などの経費を補助するものです。直近の2017年度では、1施設につき300万円を限度に対象経費の4/5まで補助金が支給される内容となっていました。

● 公募状況
同様の設備購入に活用できる補助事業は各自治体でも実施されている可能性がありますので、事業所のある自治体のホームページなどで確認してみることをおすすめします。

補助金とともに、税務上の優遇策なども合わせて活用

補助金は支出した経費のうち一定割合の資金援助を受けるものですが、設備投資に対して税務上の優遇策を活用することも合わせて検討してみる価値があります。

例えば、中小企業等経営強化法も注目のひとつです。「経営力向上計画」を作成して認定を受けた事業者は、計画にもとづいて取得した設備などに対して固定資産税や法人税の優遇措置を受けることができます。

固定資産税の特例では3年間にわたって税額が半減されます。また、法人税においては、設備などを1年で費用化できる「即時償却」「取得価額の10%」を税額から控除可能です。中小企業経営強化税制はこれらの特別控除を選択できる制度になります。

以上のような補助金施策や税務上の優遇措置をうまく活用すれば、支出を抑えながらも事業拡大につながる設備投資を行うことが可能です。今回紹介した施策などを足掛かりとして、今後の政府の動向をふまえながら、情報収集に役立てていきましょう。

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融資からも調達できる中小企業のボーナス資金とは

(写真=PIXTA)

一般社団法人日本経済団体連合会が2017年8月2日に公表した「2017年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)」の最終集計によると、2017年における夏のボーナス平均妥結額は87万8,172円であることが分りました。1社あたりの単純平均では77万9,029円となっています(調査対象は、原則として東証一部上場、従業員500人以上、主要21業種の大手251社)。

一方、一般社団法人労働行政研究所の「東証第1部上場企業の2017年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」によると、同じく2017年の夏季ボーナスの平均額は全産業平均で72万8,662円。若干の違いはありますが、おおむね70万円超という水準であることが分ります。前年同期比は横ばいです(調査対象は、東証第1部上場企業127社)。

また、「支給月数」について見てみると、最低月数が1ヵ月、最高月数が3.66ヵ月、平均月数では2.39ヵ月となりました。このような結果から、一般企業では、おおむね2カ月分の給料額がボーナスとして支払われていると分かります。特に日本企業においては、慣例として、夏と冬のボーナスが一般的であることを考えれば、企業は年に2回(7月と12月)、相当額のボーナス支給が必要となります。

ボーナス(賞与)の本来的な役割と日本の慣習

そもそもボーナス(賞与)とは、企業における“利益の還元”として位置づけされています。特に欧米の企業においては、ボーナスが「特別配当」「報奨金」として取り扱われているように、根底には、企業の業績に応じて支払われるという発想があります。

しかし、日本の場合は少し事情が異なります。会社からの給料が「年収」というよりも「月収」という概念で捉えられているため、ボーナスについても、特別配当や報奨金というより“一時金”として位置付けられているのです。

つまり、日本におけるボーナスとは、企業の業績にかかわららず支払われるのが一般ということを意味しています。このような認識が一般化している現状は、経営層にとって負担かもしれません。ただ、優秀な人材をつなぎとめるには仕方がないのも事実です。

ボーナス資金の捻出は「融資」でも

業績が思うように伸びておらず、利益が出ていないときのボーナス支給は、経営に大きな影響を与えます。資金に余裕がある大手企業ならともかく、中小企業であればなおさらです。経営状態が不安定なときであれば、ボーナス支給が重荷となるのです。

では、どのようにしてボーナス支給を実現すればいいのでしょうか。ポイントは「融資」にあります。あまり知られていないことではありますが、国の制度として、ボーナス資金を含めた運転資金の融資制度があります。ボーナス支給が難しいときは、融資を検討することも可能なのです。

経営状況が見通せず、ボーナス支給が難しいと判断したときは、商工会議所や日本政策金融公庫に相談してみましょう。その上で、融資も含めた最適なプランを構築することができれば、社員との信頼関係を維持したまま、経営環境を安定化させることが可能となります。

その際には、中長期的な資金繰りについても考えておくべきでしょう。例えば、夏季ボーナスの支給時に融資を受け、冬季ボーナスの支給時にも融資を受けるとなると、一時的に資金繰りが逼迫してしまう恐れがあります。そのようなリズムに慣れる努力が必要です。

ポイントは、あくまでも短期資金としてボーナス融資を捉えておくということです。長期資金として考えてしまうと、まだ余裕があると勘違いしてしまい、中長期的な資金繰りに影響を与える恐れがあります。

借入をしっかりと返済した実績ができれば、一定のリズムでボーナス融資を受けられるようになる可能性もあります。ボーナス融資は短期資金であると認識し、経営状況を踏まえて上手に融資を活用しましょう。

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経営状態の悪化に活用できる「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」とは?

(写真=n_defender/Shutterstock.com)

企業経営を続けていれば、不況のあおりを受けるなど経営環境の悪化により、一時的に資金繰りが苦しくなることもあります。そのようなときに、業況が回復するまで資金的なバックアップをしてくれる強い味方が「経営環境変化対応資金」です。以下では、その概要と活用のポイントを解説します。

日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金

経営環境変化対応資金は、「セーフティネット貸付」とも呼ばれ、社会的、経済的な環境の変化により、一時的に業況の悪化をきたしている企業の経営基盤の強化を図るための融資制度です。

「晴れた日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」という例えのごとく、通常の銀行融資では業績が好調なほど審査も通りやすいといえます。しかし、経営環境変化対応資金は、業績が悪化したときに融資を行うものであり、むしろ売上の減少などが要件となっています。公的な性格を有する日本政策金融公庫ならではの融資制度といえるでしょう。

融資限度額は、国民生活事業の場合、4,800万円までとなっており、一定規模の資金需要も満たします。融資期間も設備資金なら15年以内、運転資金なら8年以内で、それぞれ3年以内の据置期間が設けられるため、資金繰りにも余裕が生まれやすいのが特徴です。

金利は、基準金利をもとにして、要件に応じてマイナス0.5%から0.8%程度の優遇があります。基準金利は近年低い水準にあり、たとえば、無担保の貸付でも1.81%から2.40%となっています。もっとも、金利は融資金額、融資期間、債務者の状況などから決定されるため、ひとつの目安とお考えください。

経営環境変化対応資金は誰でも利用できるわけではない

それでは、経営環境変化対応資金を借りるための条件を確認してみましょう。この制度の対象者は、基本的には、社会的、経済的環境の変化など外的な要因で一時的に売上が減少しているような経営者です。つまり、中長期的には業績回復が見込まれることを想定しています。

具体的には、最近の決算期における売上高が前期または前々期から5%以上減少している場合や、直近3ヵ月の売上高が前年同期または前々年同期に比べて減少しており、今後も減少が見込まれる場合などいくつかの類型が定められています。

日本政策金融公庫は、前身の国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫が統合されて2008年に設立された政府系金融機関です。そのため、同じ「経営環境変化対応資金」といっても、国民生活事業として提供される場合と中小企業事業として提供される場合があります。また、それぞれについて、条件の異なるいくつかのタイプが設けられています。

したがって、自身が融資の要件を満たしているか、また、どのような融資条件になるかについては、日本政策金融公庫の窓口に気軽に相談してみるのが一番です。仮に「経営環境変化対応資金」以外の制度が適している場合には、そのようなアドバイスもしてもらえます。

売上減少企業に有利な資金だが、売上が向上しない場合には?

経営環境変化対応資金は、条件も有利であり、売上が減少傾向にある企業にとっては心強い制度ではありますが、有利子負債であることには変わりありません。

経営分析指標の中に有利子負債月商倍率というものがあります。これは有利子負債の金額を月商で除した値で、一般的には3倍以内が適正と言われています。有利子負債への依存度が高くなると、元利金の返済によって経営がより苦しくなることもあるため、悪化した経営状態がいつ回復するのか、将来の資金繰り計画まで立ててから利用することが重要です。

収支計画や経営を改善するための計画作りには、経済産業省が認定する経営革新等支援機関(認定支援機関)のサポートを受けることも有用です。こうした収支計画や経営計画に基づいて融資の申請を行うことで審査上も有利になるため、これまでの決算内容と今後の事業展開について自身でもよく整理しておいた方がいいでしょう。

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中小企業がものづくり補助金を獲得する3つのポイント

(写真=Ditty_about_summer/Shutterstock.com)

ものづくりをするメーカーは、設備投資を行うなどして生産性をアップしていかなければ、激しい競争に勝ち残ることはできません。何もしなければ、設備が劣化していくのに伴って生産性が低下していき、競争力が落ち込んでしまいます。

しかし、中小メーカーは、設備投資のための資金を簡単に調達することができません。そこで活用できるのが、中小企業庁が行っている「ものづくり補助金」です。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は、正式には「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金[1] 」という名前です。中小企業庁が「経営力向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援[2] 」するものです。

日本国内に本社・開発拠点がある[3] 中小企業者に限られます。なお、中小企業にあ[4] てはまるかは資本金と従業員数によって決まりますが、業種によってその基準が異なります。

補助金はどのような投資を行うかで「一般型」「小規模型」「第4次産業革命型」の3種類に分けられ、補助内容は下記の表のようになっています。

一般型 小規模型 第4次産業革命型
補助上限額 1,000万円 500万円 3,000万円
補助率 2/3以内
設備投資の要否 必要 可能
※試作開発の場合は必須ではない
必要
対象経費 機械装置費
技術導入費 等
機械装置費
技術導入費 等
※試作開発では、原材料費、外注加工費等も対象
機械装置費
技術導入費 等
その他 雇用増・賃金の引き上げをした場合には、補助上限額の引き上げという優遇策が受けられる IoT・AI・ロボットを用いた設備投資を行う場合が対象

補助金獲得のためのポイント

● 補助金を受けられる事業は、1/3程度しかない

ものづくり補助金は、条件を満たしていれば受けられるというものではありません。毎年、予算が決まっており、その範囲内で補助を受けられる事業が採択されます。これまでの実績では、申請された事業のうち採択されたのは30~40%程度しかありません。そのため、より確実に補助金が受けられるよう、事前にしっかりと準備しておく必要があると言えます。

● 革新性・実現性がある事業かどうかをアピールする

ものづくり補助金は、正式名称にもある通り「革新的な事業」が採択されます。そして、中小企業の経営支援を行うためのものであるため、革新的とは言っても夢のような話ではなく、実現可能性が高い事業でなければなりません。つまり、申請時に「革新的でかつ、実現性があること」をアピールするのが、補助金を受けるための重要なポイントだということになります。

革新性をアピールするためには、申請しようとする事業の置かれた環境をしっかりと把握できていなければなりません。その事業の競合プレーヤーやユーザーを分析し、その結果として考えられた「今までにない製品・サービス」であることを表現しましょう。

実現性については、設備投資によってどれくらい生産性が向上して、競争力が増して売上・利益が上昇する予測であるかを具体的かつ明確に書きましょう。「設備投資することによって生産性が〇%上昇し、コストダウンによって○○万円収益がアップする」、「革新的な商品であるため、競合他社の商品よりも高い金額での販売が可能となり、○○万円の収益増が見込める」など、数値も使って定量的に説明することが大切です。

このような革新性や実現性があるかどうかを明確に説明できるということは、「現状の経営状態や事業環境をしっかりと理解し、その中で勝ち残れる戦略を立てられること」と同じです。

中小企業庁は、しっかりとしたストーリーをもって成長できそうな中小企業者を支援しようとしています。それができる中小企業者だということを伝えられる申請内容であれば、採択される可能性が大幅にアップするでしょう。

書式の記入ミスには要注意

ものづくり補助金は、申請期間内に書類が提出できなければ受け付けてもらえません。そのため、期限ギリギリになって記入ミスをしてしまわないよう、早いうちからじっくりと準備しておくことをおすすめします。

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低金利で人気!不動産担保ローンの審査基準とは?

(写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

不動産担保ローンは、無担保で借りるローンなどに比べて金利が低い上に高額融資が受けやすいため、人気のローンです。しかしそんな便利なローンでも、審査に通らなくては元も子もありません。今回は不動産担保ローンの審査基準に焦点を当てて、勤続年数や他社からの借入が審査へ及ぼす可能性や、古い物件を担保にできる可能性など、具体的なポイントを見ていくこととします。

不動産担保ローンの審査基準

不動産担保ローンとは、その名の通り自宅や土地など自分の所有する不動産を担保に、まとまったお金を借りることができるローンです。そしてどのローンにも共通して言えることですが、金融機関がローンの審査で確認したいのはただ1つ、「貸したまま返してもらえないリスクはどのくらいあるか」という点です。

そのリスクを計算するために、審査基準が設けられています。一般に、不動産担保ローンでチェックされるのは、以下のような項目です。

・ 担保価値

・ 他社の借入・返済状況

・ 税金の納付状態

・ 収入と借入額の割合

・ 勤続年数・事業年数

・ 職種や雇用形態

項目としては一般のローン審査と変わりませんが、各項目において重視される割合が異なります。不動産担保ローンで何より重視されるのが、「不動産の担保価値」です。また、税金が未納の場合も、担保である不動産を売却しても税務署に税金滞納分を優先的に回収されてしまい、融資額を全額回収できないリスクがあることから重視されます。

勤続年数や給与所得は関係あるの?

勤続年数や給与所得も審査に影響します。勤続年数では職種や収入の安定性を図るための指標として考えられており、当然長ければ長いほど安定性が高いとして審査に通りやすくなります。

たとえ継続的に収入があったとしても、短期の雇用を繰り返すといった働き方をしていると「いつか資金繰りに行き詰まって貸し倒れになるかもしれない」と金融機関側は考えるのです。したがって勤続年数が短い傾向にあるアルバイト、日雇い、派遣社員などは正社員に比べて審査に通りにくい傾向があるといえるでしょう。

給与所得に関しては、単純に収入が多いか少ないかという基準ではなく、収入に対して借入額がどの程度あるのかが審査基準のポイントになります。これを返済負担率といいます。収入に対して借入額の割合が多いと、融資額を回収できないリスクがあるとして審査に通らない可能性があります。

他社からの借入は審査に影響するの?

他社からの借入状況は、融資額を回収できるかどうかの重要なファクターですから、一般的なローンのみならず不動産担保ローンでも重視される項目です。他社からの借入があるからといって必ずしも審査に通らないというわけではありません。しかし、他社からの借入の金額が大きすぎる場合や、返済遅延を繰り返している場合では審査に通らない可能性は高くなるでしょう。なぜなら自分が融資した場合でも、同じように返済を遅延されるリスクが高く、そのまま回収できない可能性も十分にあるからです。

古い物件でも担保にできるの?

古い物件でも担保にすることは可能です。物件の資産価値は、築年数だけで決まるわけではないからです。新しい物件の方が審査に通りやすいのは確かですが、たとえ古くても立地が良く人気の高い地域にある物件なら、担保にできる可能性は十分にあります。

地方の物件よりは都心の物件の方が資産価値としては高く、より高額の融資が受けやすくなります。地方でも、観光地であったり「住みたい街」として人気があったりするような地域なら、資産価値が上がる傾向にあります。また、古くとも建物の管理状態が良ければ、その分審査も通りやすくなるでしょう。

低金利で審査に通りやすい不動産担保ローン

不動産担保ローンの審査基準では、不動産の担保価値が大きなウェイトを占めます。そのため審査に通るかどうかは担保に入れる不動産によって左右されますが、他の無担保ローンに比べると不動産という資産価値の高い担保がある分、ローンに通りやすいというメリットがあります。また、同じ理由から金利も低く設定されているため、担保価値のある不動産を所有している人にはおすすめのローンといえるでしょう。

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自社の借入限度額は?中小企業の借入を考えるための3指標

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(写真=Joyseulay/Shutterstock.com)

中小企業庁が発表している「2016年版 中小企業白書概要」によれば、日本における中小企業の割合は99%を超えており、日本経済の基盤を支えているといえるのではないでしょうか。しかし、大企業に比べて中小企業における資金繰りは依然厳しい状態にあります。事業の経営状態を見直すためにも、借入状況を把握する必要があります。借入を行った場合の返済財源や借入金限度額についてあらためて考えてみましょう。

中小企業の借入金依存度

借入金依存度とは、企業の総資産のうちどの程度を借入金で賄っているかを示した指標のことです。借入金は金利をつけて期日までに返済する必要があるため、借入金の割合が高いほど借入金返済の負担が増えて資金繰りが悪化するリスクがあります。

したがって、借入金依存度は企業の資金繰りの健全性を測る目安としても使用されます。また、同時に、金融機関が融資先の返済能力を審査するうえでも用いられる指標です。

「2016年版 中小企業白書」にある借入金依存度の推移を見てみると、大企業に比べて中小企業は借入依存度が総じて高い傾向にあります。特に金融機関以外への借入依存度が大企業よりも高く、中小企業製造業では11.6%、中小企業非製造業では11.7%となっています。結果として、親会社や代表者等から借入れるなど、金融機関以外からの借入金も中小企業にとっては重要な資金調達先となっていることが伺えます。

借入金の返済財源は

借入金の返済財源とは、借り入れた資金を返済するためのお金のことをいいます。具体的には、決算書の損益計算書に記載された「減価償却費」と「税引き後利益」の合計金額であり、これが前年度の借入金の返済にあてる財源となります。

減価償却費とは、企業が不動産や機械設備など長期間にわたって使用する資産を購入した際に、その購入価格を耐用年数に渡って費用として配分する金額をいいます。

つまり、減価償却費は既に購入した資産に対する概念的な費用なので、数字の上では経費として引かれるものの実際には手元から出ていかないお金であり、返済財源として使用することができるのです。これに税引き後の利益を加えた返済財源内での借入金返済をすることが「利益から返済していく」ということになります。

混同される方がいますが、売上高があるから借入金の返済ができている、というのは健全とはいえません。実際に計算してみて、借入金の返済財源よりも実際の返済額が上回っているなら、それは他に使うべき資金を先に返済額に充当してしまっているということです。したがって、徐々に資金繰りが悪化していく危険性があります。

借入の限度額を考える

企業の安定性は、総資産に対して借入金がどの程度の割合なのかという観点から測ることができます。過度の借入は会社の健全性を損ねるため、借入を行う際には借入の限度額を意識することが重要です。それでは、自社の借入の限度額はどのように知ることができるのでしょうか。これには目安として3つの指標があります。

・借入金対月商比

月商何ヶ月分の借入金を有しているかで判定します。業種によっても異なりますが、月商3ヶ月分以内の借入金なら比較的健全と言えるでしょう。逆に、月商6ヵ月以上の借入金がある場合は借入限度額に迫っている可能性があり、注意が必要です。

・債務償還年数

現在の利益水準を元に借入金完済までに何年かかるのかを計算します。これもはっきりした基準はありませんが、一般的に10年以内なら概ね良好な財務状況と判断します。5年以内ならなお良く、まだ借り入れできる可能性は十分高い状態です。

・流動比率

借入金の年間返済額が、年間で現金化される予定のフリーキャッシュフローでどの程度カバーされるかを見ます。もし、年間のキャッシュフローよりも返済額が少ないのであれば、まだ借入の限度額には達していないと考えられます。

借入の際はしっかりと返済計画を立てよう

中小企業は借入に依存する割合が大企業よりも多く、借入を繰り返す企業も少なくありません。しかし後先考えない過度の借入は、負債がますます膨らみ経営状態が悪化するというリスクが高まります。

借入を行う場合には、借入の限度額と返済財源を把握し無理のない返済計画を立てたうえで進めることが大切です。

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借入れ前の返済計画、きちんとシミュレーションできていますか?

Loan Repayment

(写真=Rasdi Abdul Rahman/Shutterstock.com)

返済計画は、借入れを行う際に重要な情報の1つです。返済計画がしっかりと立てられていないと、借入れを断られてしまうこともあります。そこで、借入れを行う際にはシミュレーターを利用して返済計画を立てることを考えてみましょう。

シミュレーターを利用してみよう

不動産や車を購入するために必要な金額を借入れるためには、返済計画を立てる必要があります。毎月の返済額を計算するためには、借入金額、返済期間、金利が必要です。ところが、実際に計算を行うと、計算式が複雑で時間も手間もかかるため、借入先の比較や条件を変えて複数のパターンを検討するのは現実的ではありません。

そこで、融資を行っている業者の多くは、借入れの際に活用することができるシミュレーション機能をホームページなどで用意しています。事前にシミュレーションを行うことで、返済金額や利息の総額、年間の返済回数など、返済計画を立てる際に必要なさまざまな情報を簡単に確認することができます。

また、シミュレーターによっては利息や元金の減り方をグラフなどで分かりやすく確認できるものも存在するため、返済計画を立てる際はぜひ利用したいところです。さらに、多くの場合シミュレーターの利用には、個人情報などを入力する必要がないため、思い立ったときに気軽に活用できるのもポイントの1つです。

シミュレーターの入力事項

たとえば、日本政策金融公庫の「事業資金用返済シミュレーション」の入力項目は以下のようになっています。

・借入希望金額
・返済方法
・1年間の返済回数
・返済期間
・元金据置期間(利息分だけを返済している期間)
・金利

返済方法の項目では、「元利均等返済」か「元金均等返済」を選択します。元利均等返済では、毎月の返済額が一定となる代わりに、借入金残高の減りは遅くなります。一方で元金均等返済の場合、毎月の返済額は返済ごとに少なくなっていきますが、返済初期の負担が重くなるという特徴があります。一般的には返済回数が少なく、返済期間が短いほど返済総額は減ります。利息は発生した時点での元金に比例して大きくなるため、元金据置期間が長いほど返済の総額も大きくなります。

その他の主な入力項目としては、年収や他の借入金の金額や有無、ボーナス時返済分などがあります。

実際に利用してみると

たとえば、以下の条件で日本政策金融公庫の事業資金用返済シミュレーションを利用してみます。

・ 借入希望金額……2,000万円
・ 返済方法……元利均等返済
・ 1年間の返済回数……4回
・ 返済期間……25年
・ 元金据置期間……5年
・ 金利……2.1%

計算の結果、返済総額は2,664万4,830円となりました。5年目までは年間の返済額が42万円で、元金は含まれていません。6年目から25年目までは年間の返済額が122万7,240円となり、含まれる元金は81万3,620円から121万1,331円まで年々増えていきます。

シミュレーターによって異なる点もありますが、シミュレーションすることで月々の返済から細かい費用まで、借入時に知っておきたい詳細な情報を確認できます。借入れを行う際には、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

シミュレーションを利用し返済計画を立てる

返済計画を立てる際にはシミュレーターの活用が必要不可欠だといえますが、実際に希望の条件で融資が通るとは限らないため注意が必要です。現実的には借入先と相談しながら借入金額や返済期間、利率などを妥協しなければならない可能性があるため、いくつものパターンを想定して返済計画を立てる必要があるといえるでしょう。

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法人成りした方がお得って本当?お金に関するメリット3選

(写真=Number1411/Shutterstock.com)

法人成りとは、個人事業主が自らの事業に法人格を取得させて株式会社や合同会社などの法人にすることを言います。法人成りしても法人格を取得するのみで、事業の実態はほとんど変わりません。それにも関わらず法人成りが行われる背景には、法人化することで数々のメリットを受けられるからです。今回は、法人成りすることで得られる経済的なメリットについて解説します。

給与所得控除などの節税につながる

個人事業主が法人成りする上で挙げられるメリットは節税効果です。まずは給与所得に関するメリットから見ていきましょう。

税法上、利益に対して課税される税金は法人と個人で異なります。法人は、税率が一定である比例税率を採用した法人税が課せられます。これに対し個人は、所得が高くなるにつれて税率も上がる累進税率の所得税が課せられます。つまり、個人の場合は利益が大きくなる分だけ税金も高くなるという特徴があります。

例えば、3,000万円の利益を上げている法人と個人事業主を比較すると、法人は一定税率の23.4%が課税されますが、個人事業主の課税率は40%です。これは大きな違いといえるでしょう。

また、個人事業主から法人の代表者になるということは、事業所得者から給与所得者になるということでもあります。給与所得者になれば、配偶者控除や扶養控除などの所得控除も適用されるようになります。所得税は、売上から経費および所得控除を差し引いた金額に対して課税されるため、控除額が多いほど課税される金額が減るため節税に繋がるのです。しかし、個人事業主が配偶者や子どもに給与を支払っている場合には、これらの控除は適用されません。

退職金を受け取ることができる

個人事業主には退職金の適用がありませんが、法人なら退職金を受け取ることができます。退職金は老後の生活をサポートするための資金と考えられることから、税制上大きく優遇されています。以下は退職金の所得税額の計算式です。

(収入金額 – 退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得の金額
退職所得の金額 × 税率(分離課税)= 所得税額

売上から経費や控除額を差し引いた額に税率をかけた一般的な給与所得の計算式とは異なり、退職金には退職所得控除額の適用、課税対象が1/2になる、そして、税率が他の所得から分離されて課税されるなど、大きな節税メリットがあります。また、配偶者や子どもが法人で働いていた場合には、彼らにも退職金を支払うことができます。

赤字になった場合の繰り越し年数が多い

事業を開始して間もない頃は、赤字になってしまうこともあります。この場合、その年の欠損金を翌年に持ち越して繰越控除にすることで節税が可能です。この繰越年数が個人の場合は3年、法人の場合は9年と法人の方が長くなっており、これも法人のメリットの一つです。

初年度に1,000万円の赤字となり、翌年4,000万円の黒字だった法人のケースを例に考えてみましょう。法人税は利益に対して税率が乗じられますから、初年度は赤字のためほとんど課税されません。翌年は4,000万円の黒字ですから、通常であればこの金額を元に税金が課せられますが、前年の赤字1,000万円を繰り越すことで差額の3,000万円に対してのみ課税され、結果的に節税できるというわけです。もし、初年度の赤字が9,000万円だったら、翌年の4,000万円では消化しきれません。しかし、法人なら9年まで繰り越すことができるため、その後も個人より長い期間繰越控除が適用されます。

なお、この繰越控除は青色申告者にしか適用されないため注意が必要です。

まだまだある法人成りのメリット

ほかにも法人成りのメリットには、住居を役員社宅として法人の費用に一部計上できる、出張手当が出る、慰安旅行を法人の福利厚生費として処理できるなどさまざまなものがあります。しかし法人成りはメリットばかりではありません。法人登記費や法人住民税などの費用がかかる、法人化したことで事務負担が大きくなり、税理士等の専門家の雇用の必要が出てくるなどのデメリットもあります。

法人成りを検討しているなら、メリットだけではなくデメリットも把握した上で決断すると良いでしょう。

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低金利が魅力的?不動産担保ローンとは

(写真=bluedog studio/Shutterstock.com)

事業を展開していくと、資金繰りが不安定な時期があるなど、必ずしも経営が順調にいくとは限らないでしょう。そのような経営状況を改善するためには、多額の借入れが必要になるときもあります。しかし、借入額が大きければ大きいほど、利息の支払いも大きくなってきます。利息の支払いを抑えるためにも、金利の低いローンを検討する必要があります。今回は、比較的金利が低いといわれる不動産担保ローンの活用法について紹介します。

そもそも金利とは?

資金を借り入れたときは、借入の返済とは別に利息を支払う必要があります。その利息を計算するために用いられるのが金利です。この金利は5%や10%など割合で示します。金利は借入総額や借入期間によって変動するのが一般的だと言われており、さらにそのお金の使い道や借入方法などさまざまな条件によって金利が決められています。

たとえば、100万円を1年間借りた場合、金利が年5%であれば100万円とは別に5万円を利息として貸し手に支払うことになります。金利は金融機関により異なり、借入期間が長ければ長いほど、支払う利息は多くなってしまいます。

ローンには、カードローン・住宅ローン・教育ローン・不動産担保ローン・自動車ローンなど、その使用用途や借入条件などに応じて、さまざまな種類があります。

一般的に、即日キャッシング可能なスピード重視タイプは比較的金利が高めの傾向にあり、審査に時間がかかったり有担保であったりする場合には金利が低めになる傾向があります。

変動金利と固定金利

金利は金融市場の動向によって変化していきますが、金利の算出方法には大きく分けて変動金利と固定金利があります。

● 変動金利
情勢によって定期的に金利が変動する金利タイプです。半年に一回見直しが行われ、借入期間中に定期的に金利が変動します。金利が下がれば返済額も少なくなり、金利が上がれば返済額は多くなってしまいます。

● 固定金利
借り入れた当初の金利が、借入期間中ずっと継続して適用される金利タイプです。金利が変わらないため計算がしやすく、返済計画が立てやすいと言えるでしょう。しかしながら、情勢が大幅に変動して金利が当初より低くなったとしても、適用金利が下がることはありません。高い水準のままの金利で返済し続ける必要があります。

借入総額や借入期間などによって、変動金利を選ぶのが良いのか固定金利を選ぶのが良いのかを検討する必要があるでしょう。

不動産担保ローンは低金利

不動産担保ローンは不動産を担保にしているため、一般的に他のローンに比べると金利が低くなる傾向にあります。担保とする不動産に対して抵当権を設定することで、万が一の貸し倒れ時にも貸し手側のリスクを小さくすることができるため、多額の資金を借り入れする場合でも低金利が実現します。

一般的に高金利ローンとは、無担保であったり、スピーディに借り入れができたりしますが、低金利ローンとは、貸し手側のリスクが低く、借り手側の信用度が高いと言われています。そのため、低金利ローンは審査にじっくり時間をかけて、資産状況や支払能力を判断していきます。

不動産担保ローンの場合、借り手側の支払能力だけでなく、担保とする不動産価値が借り手の信用度を高める材料となります。そのため、不動産の状況によっては低金利で億単位の借入れが実現する場合もあるのです。

メリットの多い不動産担保ローンの活用

不動産担保ローンは所有する不動産を担保にすることで、比較的多額の資金を低い金利で長期間借り入れすることができます。企業において突発的に資金が必要になった場合、安定したフリーキャッシュフローがあれば、積極的な営業活動が可能になります。不動産担保ローンを活用して借り入れを行うのは、有益となる可能性が高いのではないでしょうか。

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